「どうやら…… あなたは【無職】の様です……」
騎士甲冑の連中に囲まれながら…… ドレス姿の美少女が話を続ける。
「みなさまは、この世界を救う為に【勇者召喚】されました。女神様にお会いして、お力をいただいたはずです」
女神様? お力? なんの事だ?
回りの連中は…… 頷いたり、納得顔だな…… どうやら、寝てる間に召喚された俺以外は…… 女神様とやらに会って、【力】をもらったらしい? 会って無い俺は? 【力】がもらえたのだろうか?
「これより! みなさまの【お力】を調べさせていただきたいと思います」
「場所を移動します。ついて来て下さい!」
不満そうな連中もいるが…… フル装備の騎士には、さすがに逆らえ無い様だ…… しぶしぶながらついて行くと……
「「「「「うわぁ……」」」」」
数人が、驚愕の声を上げる。それも仕方ないな…… 俺達が案内された場所は…… 円形の部屋で、その中心に直径1メートルくらいの水晶玉が浮いてる!?
「みなさまには、この【真実の水晶】に一人づつ触れてもらいます。触れた後は、水晶板をお渡しします。お渡しした水晶板は、あなた方の今の【お力】が表示されるので、ご確認下さい」
「どなたからになさいますか?」
皆が尻込みする。しょうがないよな…… 知らない場所で顔が見えない騎士に囲まれた状態だからな…… おっさんがやりますか?
「俺……「俺がやります!」!?」
おっと…… イケメン君にインターセプトされた! まっ、いいや…… おっさんは大人しく最後に回りますか……
「「「「「おお!?」」」」」
イケメン君が水晶玉に触れると、水晶玉が光輝く!? 驚く騎士達の様子からも、普通じゃ無い事が解る…… これが【女神様】にもらった【お力】ってヤツか?
「あなたが…… 真の【勇者】様ですね」
どうやら…… イケメン君の職業は【勇者】だったらしい…… アニメやゲームとかと同じで、ステータスが付くらしいな? その後は…… 人が触れる度に色んな職業が付いて行く。【賢者】とか【聖女】に【魔法使い】……【魔物使い】なんかもいるな……
そうこうしている間に、俺の番の様だな…… 水晶玉に触れると!? 一瞬だけ光って…… 消えた!
「どうやら…… あなたは【無職】の様です……」
俺は…… この世界でも…… 【無職】らしい……
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