「な、まさか! 【禁断魔法】か!?」
「矢を警戒して、囲め!」
アドルフの先制攻撃が効いたな… 賊達が木に隠れながら馬車に近付く。
(ドス)「う…」
俺は【暗殺術】を使い… 隠れながら賊の腹を刺す!
先ずは… 一人。
アドルフの見立てでは、賊は… 6人。
殺した賊を音がしない様に倒し… 次の賊へ…
「近くに敵が居るぞ!」ザシュ!「チッ!?」ドカッ!
賊に見付かり斬り合いになった。賊の攻撃を籠手で受けて、街道に蹴り飛ばす!
「この(ドス)ぉ…」ドサ!
蹴られた勢いで、賊が街道に出ると… アドルフが射抜く!
ドゴッ!「グワァ!」ドン!
馬車の方から、男が呻きながら飛んで来て木に当たる…
エルの仕業か? これで残り3人。
「コイツら強いぞ!?」
「騙しやがったな! 何が、商人と小娘だ!」
「うるせぇ! どの道やらないと奴に殺されるだけだ… やるしか無いんだよ」
小娘… アニア狙いか? 情報が漏れてるな。
「がぁ…」「ウッ…」
「残りは… お前だけだ。どうする?」
「クソがぁ…」
賊は… あと一人。出来れば生け捕りに…
「おいちゃん!」「旦那!」
アリスとアドルフが俺を呼ぶ!?
「くっ!?」ドス、ドス
「うっ… 口封じ、か…」
投げナイフか? 狙いは、俺もか…
「やられたな… チッ!」
アドルフが悔しそうに舌打ちする。
「おいちゃん! ち!」
「かすり傷だ」
「ダメ! 急いで【浄化】して! その男から離れなさい!!」
「な、まさか! 【禁断魔法】か!?」
エルの言葉で、賊の男から離れる!? 死んだはずの男が動き出した!
「アニア! タロウの【浄化】を!」
「し、師匠!?」
「落ち着いて、貴女なら大丈夫! 私はアレの始末をします」
「は、はい!」
エルが死んだはずの男と対峙する。
アニアは、俺の傷口に【神聖魔法】の【浄化】をかける。
「ぐっ…」
傷口から黒い霧の様なものが吹き出し、消えた!?
「なんとか… 【浄化】できました…」
アニアが疲れた様子で、【浄化】に成功した事を教えてくれる。
「【魂】を喰われたのね… 土にお帰り」
エルが賊の男を、光る鈍器で殴る!
ドゴッ! ザァ……
【神聖魔法】を使った攻撃なのか? 殴られたカ所から黒い霧が吹き出し… 賊の男は砂になって崩れ落ちた。
「惨い事を… この歳で【禁断魔法】を見るとは…」
「おやっさん… アレを知ってるのか?」
「物語に出てくる… 古代の邪法じゃ… 命を使い呪い変えると言う… 許せん魔法だ。使い手が居たとは…」
砂のなった賊を見て、おやっさんが嫌悪感を露にする。
「確かに… ヤバそうだ」
アニアに【浄化】された傷を見て… 自分が砂なる可能にゾッとする。
「【神聖魔法】に【禁断魔法】か…」
「おいちゃん?」
あの時… アリスはアドルフより、速く気付いた… 偶然か?
アリスの頭を撫で、俺は…
「生き残るって… 大変だな…」と、呟いた…
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