表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

16/72

「ジャージのおっさん、何処行ったんだ?」


「アリスは、おじさんにべったりですね」


朝焼けの空を幼子の頭を撫でながら、馬車の荷台から見ていたら… アニアが馬車に揺られて眠る幼子と俺を見て言う。


「さすがに狭いな… 馬車の購入を本気で考えないとな…」


おやっさんと小柄な獣人の男女に俺達で8人… おやっさんの幌馬車は大きめだが、これからの事を考えると馬車は必要だ。


「歩き旅は… すみません。無理ですね」


馬車の購入を考え始めた俺に… アニアが歩き旅を提案しようとして、眠る幼子(アリス)を見て謝る。


「気にするな。どの道必要になる」


「旦那、おやっさん、賊だ!」


アドルフが遠くの賊に気付く!


「アニア、アリスを頼む。エル、二人を護れ!」


「は、はい!」「了解だ」


「アドルフ… 届くか?」


「任せろ」シュン…


アドルフが矢を放つと… 「ぎゃあぁ!」遠くで悲鳴があがる!


おやっさんが馬車の速度を落とす、俺は馬車から降りて近くの林に姿を隠す…


「人間だけの相手は初めてだな… 今は、生き残る!」


初めて人を殺す可能性に… 一瞬、一緒に転移した連中が頭に浮かんだ。


あの子らは… 大丈夫だろうか…


 ・

 ・

 ・


「ジャージのおっさん、何処行ったんだ?」


騎士の戦闘訓練に疲れ果てた男子が呟いた…


「だよな… 俺達がこっちに来てから、毎日戦闘訓練してるのによ! あの無職のおっさん居なくなってるし」


「無職の役立たずだから、城の掃除でもやらされてんじゃねの?」


「マジかよ… 毎日、騎士にボコらるより良くねぇ?」


「言えてる」


男子達があのおじさんの事で、騒いでるけど… 私は知ってる。


あのおじさんが… この城の騎士に殺された事を…


そして、次に殺されるのは… 私だ。


私は【勇者召喚】された人達の中でも、歳上の方だけど… 背は一番低くコミュニケーションが苦手だ。


そんな中で… 明かな大人の人が居たので、ちょっと安心したのを覚えてる。


しかし… その日の内に、その人は… 姿を消した。


気付いたのは騎士の会話を聞いたから…


私の職業の【魔物使い】は… 魔物を仲間にする事から嫌われてるらしく、城の人達は… 私を怖れる。


そして、二度目の討伐訓練の後… 聞いてしまった… あの人を騎士が殺した事を…


次は、私だろうな… 城の人達が怖れる魔物を仲間にする力… 騎士がほっとくだろうか?


たぶん… 殺される…


私を見る騎士達の目は、まるで敵を見る様な目だ。


だから、私は城を逃げ出す事にした。


幸いにも、資金はみんなの手前、同じ数貰っている。


次の討伐訓練が勝負… 地球の大型犬より、大きな狼を仲間にして隠している。


後は… 討伐訓練を待つのみ! 私は生きる!


「今日は、ここで討伐!? まさか! シルバーウルフか! 勇者達を護れ!」


「おい! 君、待ち!?」


「【魔物使い】が逃げたぞ! 逃がすな!」


私は、大きな狼に乗って逃げ出した!


「上手くいったね… 後は、この国を出よう!」


国境を目指して、私は狼に跨がる…


その先で、あの人に再会する事を知らずに…




誤字脱字報告と文章とストーリーの評価して貰えると、助かります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] もう1人の殺された?人も神のところにいったのかな?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ