「なら、コレとコレ、後、コレもお願いします」
とりあえず、手に入れた報酬で着替えを3セット買う事にした。
「背負い袋はどうする?」
「【新しいスキル】を試しみるよ」
荷物持ち(ポーター)のスキル【アイテムボックス】を使ってみる。
「おっ! 着替えは…… よし、【アイテムボックス】に入ってる。成功だ」
「何と!? 【アイテムボックス】を覚えたのか」
「便利だろう?」
「商人からしたら羨ましい事、この上ないの」
「不味いか?」
「【アイテムバッグ】よりはましかの…… 【アイテムバッグ】持ちを狙う者は多い」
「なら、人目を避けて使うか……」
「その方が、無難じゃな」
「ただいま、戻りました」
「おっ! こっちに来てくれ」
「どうしました?」
「報酬で旅の買い出しだ。必要な物を、おやっさんから買い取るから教えてくれ」
「先ずは…… 着替えと薬ですね」
「それと、日保ちがする食材でしょうか?」
「旅をするなら、厚手のマントも必要かも知れないな…… 野宿をする事もあるからな」
「荷物多くないですか? 持ち運び出来ますか?」
「心配ない。俺が持てるからな」
「なら、コレとコレ、後、コレもお願いします」
エルが俺に【ある物】を投げてくる!?
「ちょ、ちょっと待って!」
「何です?」
「おやっさん…… バッグを人数分用意してくれ」
「あっ! ああ、その方が良いな」
「荷物を持ってくれないのですか?」
「下着ぐらい、自分で持て!」
エルが俺に投げたのは…… 【女性物の下着】だった。
その後…… 【アイテムボックス】に入る物が10種類で、1種類10個までだと解った。
「今のスキルLvじゃ、そんなもんか?」
「大きい物や嵩張る物を優先しましょう」
準備が終了したので、【フォーブン】最後の夕飯を食べる……
米が食いたい…… 探すか? おやっさん知らないかな?
夕飯を終えて…… 明日は暗い内に出るので、早めに寝る事にした。
「うん?」
一緒に昼寝をした幼子が引っ付いていた。
俺の服をギュっと握っている…… 居なくなるのを解っているのか?
「ごめんなぁ……」
起こさない様に…… ベッドを抜け出し、幼子の頭を撫でる。
俺は…… 音を立てない様に部屋を出た……
「……おはよう……」
「……おはようございます…… アニアの事を…… どうか、よろしくお願いします」
旅支度を終えて馬車に向かうと…… シスターが居た。
「解った…… すまないが…… コレをどうにかしてくれ」
シスターの言葉に了解しながら…… 足にしがみつく幼子を指す。
「……その子は…… 素質が在るわね…… 連れて行きましょう」
「エル?」
「アニアと同じだ。置いて行くと…… 同じ事が起こるわよ」
「しかし、この子は、まだ……」
「アニアを狙ったのが【神聖魔法】ならば、数年後に…… その子にアニアと同じ事が必ず起きるわ。このままだと、貴女か孤児が犠牲になるのよ……」
「そんな……」
「しすたー…… あたち…… おいたんといく!」
どうやら…… 旅の仲間が増えそうだな……
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