「此処だ…… 中の水晶に触れて出て来た職業選べ、それで【転職】も、出来る」
冷たい物を感じ、目が覚める……
ああ…… おねしょか。
一緒に寝ていた幼子に【洗浄】を掛けて、夕飯に向かうと疲れ果てたアニアが居た。
「どうした?」
「エルさんが…… 冒険者になるなら、徹底的に鍛えるって……」
「エル、やり過ぎだ」
「何故だ? 冒険者になるのだろう?」
「普通の人は、急に強くなれんからゆっくり教えてあげなさい。じゃないと身体を壊す」
「フム、考慮しよう……」
「明日、俺、アドルフ、エルが冒険者登録するが…… アニア、どうする?」
「わたしも…… 登録お願いします!」
「おやっさん、準備は?」
「出来とる。食糧を積めば、出発出来るぞ」
「なら、予定通りに出発しよう…… 目的地は?」
「アニアの為なら…… 【聖都】に向かう事のが1番だと思います」
「【聖都】か…… 遠いぞ? わしが送れるのは途中までだ」
「どこかで馬車を手に入れるか?」
「資金はどうする?」
「とりあえず、冒険者登録してからだな。アニア、近しい人と別れの挨拶しときな。アドルフとエルは護衛だ」
「はい……」「解った」「了解だ」
夕飯の後は…… 明日の冒険者登録に備え、幼子達と寝る。
翌朝…… やられたので【洗浄】して、朝食後に冒険者ギルドへ。
「来たか…… 1人多いな?」
エルを見たギルマスがちょっと警戒してる。
「アニアの師匠だ。4人分の登録を頼む」
「こっちだ……」
「場所を変えるのか?」
「冒険者にとって、【力】の情報は生命線だからな…… 本人以外は見れない様、個室で行うのだ」
「ふ~ん…… 【転職】も出来るか?」
「此処だ…… 中の水晶に触れて出て来た職業選べ、それで【転職】も、出来る」
「解った。エルとアニアが先で、次がアドルフ、俺が最後だな。エル、先にやってアニアに教えてやれ」
「解った。先に行く」
エルが個室に入る…… 4~5分くらいで出て来た。
「終りました。アニア、こちらに」
「速いな……」
「私は【転職】しませんから」
「俺は少し掛かるぞ」
「……なるべく、速くして下さい」
「努力する……」
アニアが出て来て、アドルフが入る…… 次だな。さって、何になれるか……
アドルフが終り、俺の番に…… 個室入ると水晶玉が台座の上に浮いていた。
「城のヤツのミニチュア盤だなぁ……」
城に在った水晶に比べると…… 小さい。占い師の水晶玉みたいな水晶に触れてる……
「これが…… 職業欄か?」
ファンタジー物の定番から普通職も在るな…… あっ、これで良いや。
「終わったぞ。後はどうすんだ?」
「【転職】したのか?」
「ああ……(正確には就職だが)」
「では、コレをやろう」
「何だコレは?」
「冒険者の証だ。お前とお前はゴブリンを倒した功績から【アイアン】で、アニアと嬢ちゃんは見習いの【ウッド】だ」
「理由を聞いても?」
「アニアは年齢、嬢ちゃんは功績がないからだ。嬢ちゃんが依頼を達成すれば【ブロンズ】になる」
「そうですか…… では、直ぐですね」
「自信家だな」
「旦那、どの職に就いたんだ?」
「ああ、荷物持ち(ポーター)だ」
登録が終り……
デニスの死亡報告とザコス、ゴブリンの討伐報酬を受け取り、アニアとエル、アドルフは別れの挨拶回りに……
俺は見送って、おやっさんの店に戻った。
「戻ったか…… お前さん1人か?」
「アニアの挨拶回り中だ」
「そうか…… 兄を失ったばかりなのに…… 辛かろう」
「それでな、俺達の旅の支度をしたい」
「荷物を失ったのだったな…… 荷物が増えると乗れない可能が出るぞ?」
「大丈夫だ。今の俺は荷物持ち(ポーター)だからな」
就職して、覚えた新スキルを試させて貰うぜ。
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