「お前達…… 冒険者にならんか?」
「動くな!」
扉を開けて騎士達が叫びながら、ザコスとゴブリン共を取り囲む。
「チキショー! ゴブふぅ!」
騎士達に焦ったザコスに膝蹴りをお見舞いしてやる!
ザコスは…… ナイフを床に刺す為に片膝を付いて居たので、顎にクリティカル!
泡を吹いたザコスがナイフを放したからか? 魔法陣が消えた!?
「ギャア!」「ボス!」「ニンゲンメ!」「ギ……」
残ったゴブリン共も騎士に討たれた。
「あのナイフを抜いても…… いいかい?」
「慎重にな」
床に刺さったままのナイフを指して、騎士に了解を取ると…… ゆっくりとナイフを抜いた。
「これは… 血か?」
その錆びたナイフには…… 渇いた血が付いていた。
「デニスを殺ったのは…… こいつで決まりだな」
「「「「「!?」」」」」
俺の言葉に周囲の空気が変わる。
「何故、お前達がデニスを知っている!」
ゴツいおっさんが俺達に詰め寄る!
誰だ? 暑苦しい!
「落ち着け、わしの連れだ。そして…… デニスを弔ってくれた者達じゃ」
「なに……」
「森で迷ってな…… 装備も失い困った時に、まだ新しい死体を見つけた。その死因が腹を錆びた刃物で刺された事だ」
「俺も確認した。服に血と錆びが付いていたぜ」
「その後は、おやっさんにも話したが装備と持ち物を取り、持ち物に有った【浄めの塩】をかけて埋めた。場所は…… おやっさんがゴブリンと戦った処から、2時間歩いた川沿いだ」
「明日にでも確認させる。で、何故、此処に?」
「そこの姐さんに、ザコスの噂を聞いたからさ」
「本当か? ダビィ」
「は、はい! ギルドの停留所でボドフさんの馬車にザコスさ、ザコスが絡みまして…… 良くない噂が有ると忠告しました」
「そうか……」
「なぁ…… 話は明日にしないか? 子供達の晩飯と寝る処を決めないと…… 此処は、流石に無理だろう?」
ゴブリンの死骸が35匹分のせいでひどい臭いだ。
「解った。冒険者の不始末だから、処理は冒険者ギルドがやろう」
「では、念の為に見張りの兵を置きます。シスターと子供達は……」
「わしの店で預かろう」
「いいのですか?」
「わしは、古い付き合いだからの。騎士や冒険者の宿舎よりは安心するじゃろう」
後は…… 冒険者達がゴブリンの死骸を運び出し、地下に隠れていたシスターと子供達を騎士達が誘導して、おやっさんの馬車に乗せた。
「ほれ、お主達も乗れ」
「いいのかい?」
「お主達はわしの護衛だろ? 守ってくれんと困る」
おやっさんの言葉に、俺達も馬車に乗り込んだ。
「お~い、話が聞きたいから、明日の朝、早めに来てくれ。場所は冒険者ギルドだ」
おやっさんの店は、街の中心部の外れに在って、かなり大きかった。
「いらっしゃいませ。大旦那様…… これは、いったい何が?」
「詳しくは後じゃ! シスターと子供達に食事と寝床を用意してくれ」
「は、はい! 厨房に連絡、3人は寝室を用意して。私達は荷降ろしです」
おやっさんの指示で、支店長らしい男と10人ぐらいの従業員が動き出す。
「こっちじゃあ…… どうした?」
馬車から降りてたシスターと子供達におやっさんが声を掛けるが、幼い子が動かない?
「おやっさん待ってくれ。シスター、ちょっと」
シスターと孤児は、シスターが2人に子供が7人。
おやっさんが機転を利かせて、馬車を交換して駆け付けたから、みんな乗れて助かった。
「よく頑張ったな。綺麗にしてやる」
シスターに頼み。シスターと子供達を1ヶ所に集める。
ゴブリンの恐怖に子供が数人…… チビっていた。
俺は【生活魔法】の【洗浄】を使って、まとめて綺麗にした。
「じゃあ、行こう」
一番幼い子を抱き上げる……
軽いな? 4、5歳ぐらいか?
後は、飯を食べ子供達を寝かしつけて、【水晶板】を確認……!?
「Lvが…… 6上がった」
ゴブリンを35匹倒したからか? アドルフも同じ様に上がっていた。
「Lvが上がったのは嬉しいが……」
「どうした。旦那?」
俺は…… 【大器晩成】型だった様だ……
アドルフは平均的に【身体能力】が運以外、1Lvに8から9ぐらい上がって、スキルLvも1上がっていた。
俺は…… 1Lvに平均的に1から2しか上がってない。運だけアドルフを超えたけどな……
「おっ、【キャラクリ】がLvアップした」
Lvアップして、キャラクタースロットが増えた。まぁ、作るのは後だな…… 急に人が増えたら怪しいしなぁ…… 寝よ。
「お前達…… 冒険者にならんか?」
朝になり、漏らした子供とベッドに【洗浄】をかけて、飯を食うと……
事情聴取の為に、おやっさんと来た冒険者ギルドで……
聴取中に昨日の暑苦しいおっさんが言い出した。
誤字脱字報告と文章とストーリーの評価して貰えると、助かります。




