7話 ダンジョン作成
遅筆過ぎてストックがー
3k字とか普通に投稿してる人に脱帽デス
「見慣れた天井だ」
目覚めて最初に目に移った景色に違和感がない。
異世界に来た事が夢のように感じる。
「夢じゃないですよ?」
こちらを見下ろしながらノエルが言う。
相変わらず表情が乏しい。
「おはよう。それにしても良くできてるね」
「はい、おはようございます。
<異世界知識>はマスターの記憶が元になっているので、この部屋はデフォルトです。
ただ、電化製品に関してはほとんどが模型です」
確かに電化製品が忠実に再現されても電気がない。
発電所や基地局なんて知らないから再現も不可能だ。
「んー生活家電くらいは使えるようになりたいな」
「使えますよ?」
「どうやって?」
「家電は魔道具化されているので動きますよ」
そう言えば、寝るときに照明普通に切っていた。
風呂もシャワーも使っていたのに気づかなかった。浮かれ過ぎだ。
朝食は馴染みの喫茶店のモーニングだった。
DPは偉大だ。コーヒーが旨い。
「良し、今日はダンジョンを作るぞー」
「随分張り切っていますね」
「まあね、昨日は思っていたより焦っていたみたいだよ。寝て気持ちがリセットしたのか、今はアイデアが色々浮かんでるんだ」
伝説のウィ○ードリーが今ここに蘇る!
『アクセス』
周囲に半透明のパネルが浮かび上がる。
「まずは集合場所となる小洞窟かな?」
半径200mの洞窟タイプの空間を作る。
照明は光る石(魔光石と言う名前だった)を設置して明るくする。
ボ○ダックが店を開けるように、壁をへこませスペースを作る。
「これを地下一階に『設置』っと。
出入り口は家の近くは嫌だから西の隅っこに…目印に木も植えよう」
「よーし、いよいよメインだ。
フィールド最大にすると…直径10kmかデカいねー」
左手の法則を出来ないようにし、行き止まり・連続する小部屋で方向感覚を狂わす。
トラップは落とし穴(最大1kmまで深くできた)だけにする。一階だしね。
ポップする魔物はリストにゴブリンしか無いから、ゴブリンを50体位にしよう。
「これを設置して」
《ERROR》
設置しようとしたらエラーの文字がポップアップする。
「あれ?」
何度か試すがエラーになり設置できない。
「DPが足りないので設置できませんよ?メインパネルの右下を見てください」
見ると赤い文字で『-36,850』と表示されている。
「通路やトラップを作ると、それに対応したDPが消費されます。右下の数字はDPの余りなので0以内に納めないと設置できません」
複雑にし過ぎてDPが足りなかったようだ。
「じゃあ作り直しかー消すのは…これかな?」
左上にあった『クリア』をタップする。
頑張って作った迷宮が消え、右下に白い文字で『3,595』と表示される。
「半分もない!?」
昨日ステータスを見た時は10,000は有った。
家と食事と小洞窟だけで6,000DP以上使ったことになる。
「あー小洞窟も消してDP増やさないと」
小洞窟を呼び出し、消そうとするが消えない。
「既に設置したものは消すことは出来ません。フィールドに誰も居なければ作り替えることは可能です」
「となると3,000DPでダンジョンを作らないとなのか、今まで使ったDPの内訳って分かる?」
「はい、小洞窟で1,500DP、食事や衣服で50DP、ログハウスで5,000DPです」
「家で五千!?」
ログハウスで半分使っていた。
「あのログハウスは全体に<オートクリーン>と<オートリペア>が掛かっています。
キッチン、バス・トイレ、照明等、全て魔道具なのでそれくらい掛かります」
「もっとDP少なくできなかった?」
「マスター一人であの家の掃除や修理をすると時間が掛かります。
火を使う煮炊きが室内でできなくなりますし、お風呂も無くなります。
マスターが生活水準を中世まで引き下げるのは不可能と判断しました」
想像してみる。
あの広い家を箒で掃いて雑巾掛け。一日かかる。
○ォシュレット処かトイレットペーパーさえ無いトイレ。
キャンプの経験から炊事は出来ると思うが、風呂に入る為の水汲みや薪集めが難しい。
お湯が貴重だから、水で洗濯しないといけない。
「…うん、無理だ」
現代人が中世(異世界)で生きられないと実感するのだった。
やっと?現地人登場かな
次回:騎士団