1話 気が付けば
初投稿かつ見切り発車
ありふれた物語になるのかなと
眩しさに目を覚ますとそこは輝く太陽が降り注ぐ草原の真っただ中だった。
…はて?
自分が何故ここにいるのかがわからない。
このような場所に来た記憶もなければ、何故寝ていたのかも不明だ。
・
・
・
名前…ソウジ…そう、橘宗次だ。
年齢は…確か29、いや、もう30か。
ああ、思い出してきた。
20代最後の夜を謳歌しようと友人と夜の間にに繰り出して…
酔い潰れたのか。
しかし…
「地元にこんな場所なんかないぞ?」
見渡す限りの草原。その後ろ、だいたい1キロ先からは鬱蒼と茂る森が周囲を覆っている。
ビルも民家も、文明と呼べるものは一切見えなかった。
「そうだ、ケータイ」
慌ててズボンのポケットから携帯を取り出す。
「って、やっぱ圏外だよなぁ。げ、バッテリーも後1%しかないし」
軽い喪失感を覚えつつ形態をポケットに戻すと、足元に一冊の本が落ちていることに気づく。
拾い上げ表紙を捲ると
『ハーイソージ?
貴方は今、何処にいるのか分からなくてとっても困っていると思うの?
そこは日本じゃないの?《アステア》って言う世界なの?
つ・ま・りー異世界なの?
ソージはカミサマの都合で地球にいれなくなったの?
可哀そうだからカミサマが管理する別の世界に連れてきたの?
アステアは剣と魔法のファンタジーなの?
文明は中世くらいなの?ゲームや小説によくある設定なの?
ソージはこの世界で自由に生きるといいの?
ただ、ソージは使徒でも勇者でもないからチートスキルはないの?
戦闘経験が無いから直ぐ死んじゃうの?
だから一つだけギフトをあげるの?
この本に書いてあるギフトなら何でも覚えれるの?
本を手に覚えたいギフトを念じれば覚えれるの?
沢山あるから選ぶの大変だけど頑張るの?
それじゃアステアの世界を楽しむといいの?』
俺は表紙をそっと閉じると本をぶん投げた。
理由も分らないまま異世界へと飛ばされた宗次
果たして宗次はこの世界を生きていけるのか?
次回「山菜」