部活の様子です2
「ええ、まあ・・・」
その声に押されつつ答えると、未希が
「ええ、大いに。私たちが加わるほどおもしろいのでしょうか」
と、少し挑発的なことを言った。
「もちろんだとも。超常現象の証拠をつかむために、あちこち行ったり、新聞を調べたり、荷物を持ったされたり、一日中歩いたり、食事を作らされたり、UFOを作らされたりするかもしないが、しかし、超常現象に触れることができるはずだよ」
これは、完全にこき使われる・・・と思いながら未希を見ると
「そうなんですね。分かりました、ぜひお願いします。特にこの中村君は何でもやりたいといっていますので」
「そうかそうか、それはよかった。では、まずこれにサインをしてくれるかな」
小山先輩から渡されたのは、それぞれに対して二枚の紙。
一枚は入部届、二枚目は「誓約書」。下の方に
「危険を十分に認識したので何があっても、損害の賠償などはしません」
「高校3年間、部に忠誠を尽くします」
「・・・」
これは、サインをしない方がよさそうだが・・・
「なるほど、分かりました。ただ、私は主義の問題で、1日1枚しかサインできないのです。中村君がサインするということですので、私は入部届だけサインさせていただこうと思います」
・・・未希が逃げた。
「ほー、なるほど。君の名前は?」
「桐生院未希です」
「おもしろい人だね。超常現象に興味があると。ありそうだね」
小山先輩が含みのある言い方をした。
「ええ、大変興味がありまして」
未希は平然と答えた。
「では、中村君のみが、誓約書を含めてサインをすると」
「はい、そのとおりです」
二人はお互いに笑いあった。
そして、俺の方に向き直り、いった。
「では、さいんしてくれたまえ」
「では、サインしてね、中村君」
これが、俺の入部の経緯だった。
高校生活の部活動は前途多難であった。






