部活の様子です1
「最近はあんまりいいネタがないのよね」
部室で新聞を調べながら、僕の買ってきたコーヒーを飲んでいる未希。
「そうだね。もういっそ、殺人事件とか捜査する?」
僕も事件を調べるのにうんざりして聞いてみる。
「それはだめよ。警察が調べている事件を調べてもどうせむだに終わるわ。もっと、不思議な現象でないと」
「ミステリーサークルとか?」
思いつくまま聞いてみる。
「ぜんぜんだめね、殺人事件よりましだけど。もっと、なんかないのかしら。私の好奇心をみたすような面白い出来事は。そして、この『超常現象部』にふさわしい出来事は」
そう、僕と未希は、超常現象部に入っている。
その名の通り、超常現象を研究する部だ。
未希が入りたいといい、僕がそれに付き合う形で二人入った。
幽霊部員が多く、実際に活動しているのは、僕と未希と・・・あとは時期によって違う。
この部を作ったのは、2年生の小山由美先輩だ。
活動的な先輩で、中学の頃は単身で日本の秘境をめぐり、超常現象を調べていたらしい。
高校に入り、部を作ったのは、一人では難しいこともあるので、同じ志を持つ仲間とともに活動したいと思ったからだという。
入部したのは、4月中ごろだ。
入部した時のことを思い出す。
話を聞いてみようと思い、未希と一緒にこの部室をのぞいてみたのだ。すると、
女性が一人写真を見ながら唸っているところだった。ショートカットで長身、切れのある目をした、活発そうな人だった。この人が小山先輩だった。
「これじゃあ、まだUFOとは言い切れないよなあ。でもあの時は通信にも障害が出たし、データ上は何か超常的な出来事が起こった可能性が高いんだが・・・」
「やっぱ、私がUFO作るしかないのかなあ・・・いや、それなら、やっぱりだれかほかのやつに作らせる方がいいよなあ、荷物持ちも必要だしなあ・・・」
こんなことを言っているのを聞いて、俺はドアを閉めたくなった。
しかし未希は
「すいません、入部したいんですが」
と声をかけた。
その声を聞き、小山先輩はすぐに近づいてきて、
「そうかそうか、いやいや、待ってたよ。さあ中に入って」
そういって僕たちを中に案内して、ドアに鍵をかけた。
「あのー先輩?」
恐る恐る声をかけたところ、
「君たち、超常現象に興味があるのだね?」
そう聞いてきた。
その声は、興味がない、という答えを許さない調子だった。