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煌黒の鉄拳

「早速だけど、あなたには負けてもらうわ……アドベント発動! ”終焉をもたらす破滅の剣”!」


 パラディンの持つ剣と盾が再び、一つの存在と化す。


 だが、ジャッジマンはこれを読んでいたかのように返しのアドベントを発動させた。


「そうはさせん! アドベント発動! ”聖なる封魔剣”!」


 ジャッジマンが”聖なる封魔剣”を発動した瞬間。パラディンの周りを取り囲むように金色に輝く剣が浮き、その剣先からは謎の光線が放射された。


 光線を浴びたパラディンのアドベント、”終焉をもたらす破滅の剣”は無効化され、光線を放った剣は消えている。


「対抗策は持っていたようね……面倒くさい男、ここは帰らせてもらうわ」


 パラディンはデュエルギアの画面を操作し、謎のコマンドを入力した。


「また会いましょう! 素敵な兵士さん!」


「待て! まだ、デュエルは終わってはいないぞ!」


 ジャッジマンはパラディンを捕らえようとはしたが、その姿は消えていた。


「くっ、逃げられたか……この事はゲームマスターへ報告せねば」


 続くようにジャッジマンもコマンドを入力し、その場から姿を消す。


 そして、その場に残されたアジルスは今の状況に理解が追いついていない。


「何だったんだ……今は休むとしよう」




 パラディンとジャッジマンのデュエルが終わったころの克也は目を覚まし、自分が寝てしまった理由を探していた。


「まったく、なんで俺は寝ちまったんだ? ……まあいいか! この草原が気持ちよくて寝てしまったに違いない!」


 とりあえず深呼吸し、寝てしまった理由について考えない。


 そして自分のデュエルギアを確認、どうやら三時間も寝てしまっていたらしい。


「あ、そういえば……俺のスーツに必殺技とかねえのかな? こういう時は説明書のアプリを開くか」


 デュエルギアを操作して説明書のアプリを開き、まだ見ぬ説明書を最初のページから読んでいく。


「うーん、いろんなのがあるけどよ……難しい言葉ばっかでわかんねえな」


 説明書を見ているうちに探していた項目が見つかる。


 その項目の名は”アドベント”。何故かは知らないが、この項目の中に自分の探している物があると確信。


「これか? ……アドベント、これは必殺のようなもの……か、早速使ってみるか!」


 早速、デュエルギアに自身のデュエリストコードにアクセス、そして体に強化スーツを身にまとう。


「しゃあ! あの岩で試してみるか……ええと、ダイヤルを回してアドベントを選択して、その下のボタンを押してと」


 説明書の通りの手順で操作――説明書にも書いてあったアドベント発動時の音がなった。


「よし、行くぜェッ! アドベント発動! ”煌黒こうこくの鉄拳”!」


 右腕には感じたことない力が宿り、制御するのにもかなりの労力を必要とするほどだ。


 そして、右腕に宿った力を押さえる事に成功――直感で感覚を掴み、五十メートル程先の岩へ向けて駆け抜けていく。


 駆け抜けた先の岩に向けて拳を前に突き出し跳ぶ――煌めく黒鋼の拳が岩を砕く。


 辺りには衝撃波と共に鈍い音がはしる。


「すげぇパワーだ……でもよう、抑えきれなかったからか命中させるには威力を抑えないとな」


 確かに感じたあの力――もしかすると、あの力が自分を決闘者の頂点まで連れていけるのではないかとふと思う。


「他のアドベントはあるのか? あったら嬉しいな、それにワクワクするぜ!」


 ダイヤルを回しながらデュエルギアの画面を確認――興味深い物を発見、すぐさまに説明を見てみる。


「まだ使えないものもあるけどなぁ……この”アベンジ・バースト”ってのが気になる」


 この”アベンジ・バースト”の説明には――右手に制御ユニット、エネルギー射出装置を接続させ、射出装置のエネルギーを溜める。


 プラスエネルギーとマイナスエネルギーが溜まり次第に左腕で射出装置のボタンを押し、右腕をL字に組んで左腕で押さえてから放つ。


 放たれたプラスとマイナスのエネルギーに触れたものは衝撃で押し出される。そしてプラスとマイナスのエネルギーは互いにスパークして爆発する。


 これがアドベント――”アベンジ・バースト”の説明だ。


「このアドベント、下手したら煌黒の鉄拳より制御が難しそうだぜ……今のところ、使えるのは煌黒の鉄拳だけか」


 他にも気になるアドベントがあるが、今は一つでもアドベントを持っていることを誇りに思う。

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