駆け出しの討つ者
いやぁ、ランキング乗れるとは思ってもいませんでしたw
これからも頑張っていきます!
『アクセス、デュエリストコード……スタートダッシュバスター』
デュエルギアはリングの形をした光を俺の頭上に出現させ、リングの形をした光が体の形をなぞるように包み込む。
『ロード完了、スタートダッシュバスター、アクティブ』
突然、光の中から出現した多くの謎の機械。
それらの機械は体のいたるところに装備され、俺は甲冑のようなスーツを着ている。
黒のボディに緑のライン――特撮作品にありそうな造形。
その姿はヒーローというよりは、ロボットに近い。
「これが、デュエルギアの機能か……で、俺はこれを着て何をすればいいんだ?」
[そのスーツを着て、私の用意した世界で戦ってもらう……もし、君が生き残れたのなら”人生の勝ち組”にしてやろう。健闘を祈るぞ]
『別世界転送プログラム作動、ディメンジョンゲート、アクセス』
「え? ちょっと待て、健闘を祈るって……」
「あと1つ言っておこう、そのいデュエルギアにはサポート機能がある。困った時はそれを使うといい」
『アクセス完了、ケンザキカツヤ、転送』
デュエルギアは俺をこの空間に転送した時と同じ事を繰り返す。
目の前には奥まで見ることのできない穴が浮いている。
そして、気づいた時にはその穴に吸い込まれていた。
「ノオォォォーッ‼ 何なんだ!」
穴に吸い込まれた俺は、落ちていく感覚を感じる。
スタートダッシュバスターと呼ばれるスーツを着た状態で底の見えないまま落ちていく。
やがて、落ちていく感覚は消え、今度は宙に浮いたような感覚になる。
ゆっくりと落ちていきながら、底が見えてきた。
「おっ? 底が見えてきたぞ」
ゆっくりと落ちていく俺は、この穴の底にある出口を見る。
その出口の先には草原、どうやら別世界とやらに繋がっているようだ。
「ちょ、待って! 落ちてる落ちてる! 落ちてるって!」
先ほどまでゆっくりと落ちていた俺は、普通の速度で落下していく。
「嘘おぉぉぉん!」
落下しながらも出口を抜け、草原へ落ちている。
死を予感する俺は「助かりたい」と心の中で願った。
「(あれ、そう言えばこのスーツ、空を飛ぶ機能とかねえのかな?)」
そう心の中で考えた時、スーツに秘められた機能が作動する。
『ブースター作動』
デュエルギアはスーツの背中の方に、ブースターと呼ばれるジェットエンジンを小型にしたようなものを展開する。
そのブースターから大量の空気が放出される。
ブースターのおかげで落下は免れ、無事に着地する。
「ふぃ~、一時はどうなるかと思ったぜ。このスーツ、すげえな」
あの穴から続いていた別世界と呼ばれるこの世界。
まるで、ファンタジーの世界にいる気分だ。
「うーん、じっとしてても何も始まんねえな。歩くか」
しばらく歩くこと、約15分後。建物や人の姿は見当たらない。
「ほんとになにもねえな……この世界」
退屈な気持ちになってその辺の石ころをける。
蹴った石ころは普通ではない速度で飛んでいき、不幸なことの引き金となる。
不幸なことにその石ころは馬のような化け物に当たってしまう。
「あ、やっちまった」
「グル、グルアァァァッ‼」
馬のような化け物は悲鳴に似た叫びをあげながら、鼻息を荒くする。
『データ解析……解析完了、生物の名は、ガーギス、魔物です』
「ガーギス? 魔物? よくわかんねえけど、やるしかねえ!」
わからないことばかりだが、今は目の前の化け物と戦うしかない。
ガーギスという名の魔物は自動車並みの速度で突進を仕掛けてくる。
それを正面から拳で迎え撃ち、突進を拳の一撃で相殺した。
「なかなかのパワーじゃねぇか! このスタートダッシュバスター、気に入ったぜッ‼」
次の攻撃が来る前にガーギスの頭部に上段蹴りをかます。
かなり効いているようだ。
すかさず、ひるんだガーギスの胴体に前蹴りを当てる。
ガーギスは前蹴りのダメージで動かなくなる――気絶したようだ。
「良いねぇ、充分なダメージは入ったな」
『相手の状態を確認、止めを刺しましょう』
「え? 止めを刺すって、殺すってこと?」
『何か問題でもアリマスカ?』
「悪いな、俺はコイツを殺す気はねえぜ」
『麻酔銃を作動、ポインターに合わせて撃って下さい』
「ありがとよ」
倒れたガーギスに麻酔銃を撃ち、眠らせた。
俺は再び建物や人を探し始める。