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イデア・バグナは時を越える?

おまたせしました。

4ヵ月ぶりの更新です。

 アルマとか名乗ったエルフの冒険者と俺たちは、聞こえてきた声に耳を傾けた。だけど、なんと言っているかは、風の音に掻き消されて解り伝い。

「「……?」」

 そろいもそろって首をかしげた俺たちだが、ふとマサミがすっごく怪訝そうな顔になった。

「どうしたの?」

 アレクシアが問いかけると、マサミは青い髪を揺らして呟く。

「今、穴の中から父の声が聞こえた気がして……」

「えっ?」

 人の気配は……わからない。けど、微妙に声が聞こえてくる。確かに、マサミの言うとおり、ニールさんの声が聞こえたような気がした。耳を澄ますと、何故か親父の声も聞こえてきた気がする。不思議に思っているとアラムが後から声をかけてきた。

「ホントだ、人の声がする」

「アルマさんにも聞こえるの? 私には……」

 アレクシアには聞こえなかったらしく首をかしげている。

「怪しい事この上ないな。とりあえず、報告をして後日調査って感じか?」

 俺がマサミとアレクシアに相談しようと声をかけていると、一歩下がったアルマが少し困ったような顔をしていた。まぁ、仲間と逸れ連絡が取れないならなー。ただ、ちょっと怪しい気がするんだよね。それは2人も同じらしく、油断した様子は無い。

 穴は丁度人が1人は余裕で入れるほどの広さで、深さは光で照らしても真っ暗でどれだけ深いか解らない。先も見えない。……やっぱり道具を揃えて調査しなおした方がよさそうだな。

「よし、とりあえず一回戻ろうか」

 そう言って俺が穴から離れようとしたとき、動けなかった。そして力強く背後から引っ張られるような感覚がしていく。

「危ないっ!」

 マサミが手を伸ばそうとしたのが見えた。だがそれを遮り、アルマが飛ばされる。叫ぶマサミとアレクシアが遠くなっていく。

(くそっ、油断したっ)

 急に引っ張られた感覚がしたとき、急に魔力が高まった気がした。あの時下がるべきだったんだ。誰かが魔法を使ったか、魔獣の影響……?

 そんな事を考えているうちに、俺の意識は真っ暗になっていった。アルマは無事なのか? つーか、てめぇ、ナニカしなかったか? ……いや初対面の人間を疑うのはどうだろう。でも、あの中で唯一怪しいのはアルマなんだけど……。


「おーい、大丈夫か?」

 我に帰ったとき、聞き覚えのある声が聞こえてきた。目を開けると、青い目に短く切った黒髪、頭にバンダナを巻いた若者が倒れた俺を覗き込んでいた。

「こ、ここは……?」

「ここはゼナン付近の森ですよ」

 そういって立ち上がらせてくれたのは、青い髪の若者。うぅ、目が眩んでそれぐらいしか解らない。お礼を言いながら立ち上がっているうちに、目がなれてきたぞ。しっかし何か毎日聞いているような声がする。

 俺が顔を上げると、そこには……若い頃の親父がいた。年齢は20歳前後。今も若々しく見える親父だが、ここの親父はなんか、こう、あどけなさが残っている。ってことは、隣の眼鏡をかけたのがニールさんか。若い頃からなんかほんわかした人だったんだな

「よかった。なかなか目を覚まさないからギルドの医務室に運ぶか神殿に運ぼうと思っていたんだ。歩けるかい?」

「あ、ああ……」

 俺は若い頃の親父に頷きながら、内心で首をかしげる。


 ……俺、もしかして過去の世界に来ているのか?


 そっくりさんにしてもなんかこう、おかしい気がするし。

 というより……直感的に今、目の前に親父が居るとしか思えないんだが。


 マジ、どうしよう。

 あと、アルマ……どこ行った?



読んでいただきありがとうございました。


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