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イデア・バグナは異変を見つける

 どうにか、ゾンビ竜を倒した俺達は、周囲が浄化されていくのを体感していた。辺りに満ちていた瘴気……悪意が徐々に薄れていく。まぁ、アレクシアが舞いを舞ってくれた効果もあって、あっというまに空気が美味しくなっていく。

 だのに胸騒ぎがする俺は、辺りを見渡していた。まぁ、警戒しておくに越した事はないけれども、妙に後頭部がうずく。こういうときって面倒な事が起こるんだよな、俺の場合。

「どうした?」

 マサミに問われた俺はため息混じりに「ちょいと辺りを見まわりたい」と提案する。と、アレクシアが頷いた。

「そうだね。今回の騒動は少しおかしい気がしますから」

「念には念を、だな」

 マサミも賛成らしい。俺たちは携帯食を素早く口にして水で流し込むと、周辺を見回る事にした。


 辺りを探っていると、他の冒険者達の様子が見れた。彼らもゾンビ竜を倒し、浄化している最中だった。俺達が一番早く終わったのかもしれない。

「まぁ、この辺りの浄化もそろそろ終わるかもしれません」

 アレクシアは安堵の息をつくが、俺は首を振る。

「まだ原因がわかっていないんだ。気ぃ抜けないよ」

 そういいつつ、俺はとある場所に眼を向ける。直感的なものだったと思う。そっちに何かある、と何かが俺にささやいている。あ、厨二的だとか思わないでくれ。ホント、なんかこう、言葉で言い表せないなにかがあったんだから!

 俺は自然に走り出していた。


「ん?」

 直感だよりに走っていって、俺は行き止まりで異変に気づいた。なんかこう、嫌な予感がしたというか、なんというか。見た方向に、根本的な何かがあるような、そんな直感だった。

 後ろから追いかけてきた2人の姿をみつけ、俺は少し安堵する。彼らが一緒ならきっと大丈夫だろう。

「マサミ、アレクシア。あっちに行って見よう」

「何か、見えましたか?」

 マサミの問いに、俺は頷く。

 俺は慎重に茂みをかきわけ、その奥を見た。そこで見たのは、黒い穴だった。ただの、黒い穴。なんか、虚という言葉が似合うようなものだった。そして、俺達が出くわしたのは、茶髪のエルフ。見覚えは無いが、腰の剣や部分鎧とかの装備から冒険者だと推定する。

「何やってんだ?」

「僕は、アルマといいます。仲間とゾンビ竜を倒しに来た者ですが……」

 アルマと名乗った彼は、少し不安げに俺達を見ていたのだった。仲間とはぐれたのか、彼以外に人はいないし、気配もない。ちょっと怪しいが、今回の依頼は緊急だ。それなりに力のあるヤツで、寄せ集めのパーティを組んだ事も考えられる。

「逸れたのか。単独行動は危ないから、俺たちと来るか?」

「そうさせてもらえるとたすかります。ちょっと花を摘みに着て迷っちゃって」

「き、緊張感の無い……」

 アルマの返答にアレクシアが頭痛を覚えたような顔で額を押さえる。妙に嫌な予感がするのは、なぜだ。一応警戒しておくか……。


 そんな事を考えていたときだ。穴の方から声が聞こえてきたのは。



……緊張感はいつかえってくるのか。

ともかくここまで読んでくださり有難うございました。

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