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いきなり魔王様


突然ですが。

私は鈴木幸子と申します。28歳独身。

1年前に異世界トリップというものをしました。


そして、魔王になりました。

王道だったら勇者か聖女じゃないの?!

というツッコミはスルーでお願いします。


そもそも、トリップという非現実的なことに、全く受け入れられるはずもなくパニック状態でした。当たり前の反応ですよね。


この魔王城の人々は、突然現れた不審者な私を優しく包み込んでくれました。人間に侵略されて大変だったはずの時期なのに。

現代社会で忘れてきた人の優しさを感じました。


この世界に慣れてきたころ、子供達と城で遊んでいたら魔物が襲ってきたのです。

魔物とは魔族が正気を失い人形を保てず獣形のままの姿。

本能のままに殺戮を繰り返す生き物になってしまう。

そして、人間がその魔物をひきいて魔王領を侵略しようとしている。

私がこの世界にくる一年程前より急速に増え、着実に中心である魔王城に近づいてきている。



私は子供達を守るために願いました。


すると、手には黒光りしたハリセンが握られていました。

私は無我夢中にハリセンを振りかざしました。

すると魔物が正気を取り戻しました。


そのハリセンはなんと"闇の手"という魔王専用武器だそうで。

"闇の手"に選ばれし者しか魔王になれないきまりがあるそうで。

私も日本人。押しに弱すぎました。


そういうわけで魔王をしております。




魔王といっても特別何をするわけでもなく、ただ操られた魔物達を正気に戻すだけ。

みんなが捕獲してくるので、ハリセンで殴るだけです。

おかげでスパーンと良い音で殴る技術はピカイチになりました。


しかし、正気に戻して戻してもキリがない。

次々に人間の奴隷の魔物が増えていくばかり。



人間の国もしびれをきらしたようで、1ヶ月程前から"勇者"が魔王討伐に向かっている。

勇者は魔族を魔物に変える力があると。

勢力を確実に拡大しながら城へ向かっている。

つまりはもう魔王軍は太刀打ちができない状況なのだ。



この城に到着し戦いはすでに始まっている。




「サチコ様。早く隠れ里の方に避難を。」


「影武者として立派な魔王を演じるから安心しろ!」


「俺たちの強さは知っているだろ?」


「サチコは充分同胞達を救ってくれてる。むしろ巻き込んですまないな。」




四天王のみんながそう言ってくれるが、私だってみんなの役に立ちたい。

魔王のくせになにもできない私のせいでもあるのに、みんなこんなにも優しい。




「…お願い私もここにいさせて。」



「サチコ様!」


「わかってる!けどみんなが洗脳されたら助けられるのは私だけ。いざとなったら人間国に交渉できるのも私。私の命よりもこの国を守りたいの…!」


「はぁー。お前は弱虫で泣虫のくせに変なところで強情だよなー。今だって恐怖で身体震えてるぞ?」


「こうなった聞かないな。その代わり椅子から絶対に動くなよ。」



「ありがとみんな。わがまま魔王でごめんね。」



「いいってことよ!最後の勇姿やきつけとけよ!」


「サチコ様は私が守ります!」


「見えない魔法かけてるんだから絶対動くなよ!」





ドカーン!!!


轟音とともに大広間のドアが破られた。

煙とともに魔物達をがなだれ込んでくる。

四天王はそれをものともせずに倒していく。



「誰もいないと思ったら、ラスボスだけ居残り?」

「まぁそんなのも関係ないでしょ。」

「これで最後なんてあっけないわねー。」

「勇者様。いつものあれお願いしますわ。」



場違いな戦車のようなものが現れた。

そしてその上には美女四人がのっていた。

戦車からは超音波のような耳につく音がする。


まさかと思い私は戦車まで駆け出した。

そして闇の手を振り上げた。

振り上げたといっても戦車の横をスパーンといつものように叩いただけだ。



バリィィィィィィ!!!!!


闇の手は雷属性。

戦車のような鉄の固まりにはよく効いたようだ。

そして周りにも電流が届いたようでみんな気絶している。

ちなみに、四天王は予めゴム長靴と手袋を着用しているため無事だ。



「サチコがやったのか…?」

「サチコ様ご無事ですか?!」

「あれほど動くなと言ったろ!お前に何かあったらどうするんだ!」

「まぁまぁ。サチコのお陰で助かったんだから。」


「それよりみんな!さっさと捕縛!人間達も少人数だ来たようだしよかったー。」



こうしていろいろ人間の国と和平交渉というなの一方的な脅しをして、魔族領にも平和が訪れたとさ★


和平交渉までがすったもんだありましたが、また後日ということで。




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