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プロローグ
「探検家レベロ・クロイツ手記から」
2200年のある時、人間の技術である科学によって世界は一度滅びました。
しかし、疫病が蔓延し、呼吸さへ難しい世界の中で何とかある少女は生き残りました。
知り合いも家族も友人もいない。
そんな寂しく過酷な世界の中を旅する内に彼女は何とも不思議な力をとある緑色に輝く石から授かったのです。
彼女は
「私が生き残ったのはこの世界を救うためだ」
と解釈し、その力を解放しました。
すると、どう言う事でしょう。
死んだ世界が生き還り始めたではありませんか。
自然も亡くなった生物もドンドン息を吹き返していきます。
そして、彼女はその緑豊かな世界で人間達に神と崇めたて祀られ、その不思議な力を
「風薫る世界(wind)」
と名付けたのです。
彼女が死した後、彼らは世界の果ての小さな島にその彼女を葬るための塔を建て、その塔を彼女の墓としたのです。