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クロニクル・ファンタジア  作者: clover
第1章 リーシア村編
6/19

ローグミナーエという世界

 知らない天井、ここはどこなんだ。

 ふかふかではないが寝心地のいいベッドに寝ていたらしい。

 起き上がって辺りを見回す。


 ゲームとかで見る宿屋(木製のやつ)の一室のような印象を受ける。

 ……もしかして、クロウェルだったか、あいつが運んだのか?

 倒れたんだし、‘普通’に考えればそうなるか。


 ベッドから出ようとしたそのとき、ドアがゆっくりと開いた。

 そこから現れたのはやはりというべきか、クロウェルだった。


「よかった、目が覚めたんだね。」


 ほっ、と息をついて、彼はベッド脇の椅子に腰かける。

 説明とか事情聴取とかをやりでもするんだろうか。

 いや、慰謝料とか言われるかもしれないな。

 警戒はするに越したことはないが、この好青年相手に何処まで持つか。


「ここはリーシア村の僕が住んでいる家で、

 君が魔力切れと精神的な疲れかな、倒れたから、運び込んだんだ。」


 まっとうな理由で運び込まれてるんだな。

 まじでクロウェルはいい人らしい。

 お人よしにもほどがあるだろう。


「……あれ?」


 身体を見下ろして気が付いた。

 そういえば、服が違うものになってる。

 まさか、こいつに何かされたんじゃ……。


「怪我とかはしていなかったけど返り血が凄かったから、

 宿屋のおばさんにお願いして着替えさせたんだけど大丈夫だったかな?」


 女性に頼んだのか、そうだよな、今の俺は女なんだし。

 元々来ていた服は、近くのクロゼットと思われる場所にかけられていた。

 綺麗に洗濯されている。少し安心した。


 返り血、……俺がやったんだ。

 あの時、確かに‘人’を斬ったんだ。

 魔力で起こした現象だとは思うけど、そのはずなんだ。


「あの、私、叫んだりすると、風とか炎とか出てくるんです。

 どうすればいいのかわからなくて。

 魔力切れのことだってわからないし、

 リーシア村がどこなのかもよくわからないんです。」


 さっさと情報は得るべきだという考えのもと、

 このお人よしに聞くことにする。

 魔力関係とか特に詳しく聞きたい。


「えっと、もしかして‘異世界人’かい?」


 きょとんとした表情でクロウェルは逆に聞いてきた。

 多分、説明に影響しそうだから素直に頷く。

 俺、魔法とかのファンタジーな世界の生まれじゃないしな。


「じゃあ、この世界について、ゆっくり説明しようか。」


 この世界について、彼が知っていたことは以下の通りだ。


 この世界はローグミナーエと呼ばれている。

 知の神ローディア、闘の神ガルミナ、和の神ナーリェシカの3柱の神によって創生された。

 人間、亜人の2種族があり、それらを‘ヒト’と称している。

 また、魔人、魔物といったヒトに仇名す存在もいる。

 古の時代には多くの種族が戦争を起こしていたとも言い伝えられているようだ。


 混ざり者という魔術によって複数の物が混ざっている存在もいる。

 成功率は恐ろしく低く、実際にそうなっているものはほとんどいないらしい。

 人工的に生み出された存在だからか身体が不安定で病や毒の影響を受けやすい。

 しかも、術の成功具合によっては、普通に生きていくこともままならない。

 俺は恐らくだが、この混ざり者だろう。

 ルディアさんの遺言が正しいのだとすれば、だが。


 そして異世界人。

 何らかの事情にてローグミナーエにやってきた異なる世界の住人で

 主に召喚によってやってくることが多い。

 稀に魔術師自身が直接異世界に赴き連れ帰ってくる場合もあるらしい。

 たいていの場合、あらゆる能力が高く、素質も素晴らしいとのことだ。

 そのため、兵器として召喚する時代もあったんだそうだ。


 魔術というものが存在すること。

 魔力という概念があるんだし当たり前か。

 光・闇・炎・風・水・地の基本6属性と癒・無の特殊2属性の8属性が存在する。

 基本6属性と癒属性は下級・中級・上級・禁呪の4ランクがあり、

 禁呪以外はランクにまつわるワードを呪文に付け加える。

 無属性はランクが存在せず、ほとんどが禁呪レベルの呪文ばかりらしい。


 次に武器にまつわるスキルが存在すること。

 大まかな分類があるらしいが基本的に武器の分類と似た様な分け方らしい。

 ランク分け等は存在せず、習得難易度の違い程度らしい。

 稀にあるスキルから派生して新しいスキルを習得できるらしい。

 これを上級スキルと呼ぶんだそうだ。

 上級スキルや習得難易度の高いスキルは魔力の消費が大きいんだそうだ。


 そう考えるとルディアさんは魔術特化だったんだろうな。

 杖とかの武器類が一切なかったし。


 これが俺が今生きていくことになる世界、そういうことになる。

 まだほとんどを知らない、知っていかなくてはいけない。

 だから、聞けて良かったと思う。

世界観についてのお話でした。

スキルとかはまだ出ていませんが登場人物について少しだけ。


まず、主人公、ラティエちゃん。

プロローグで事故に遭った彼です。

ルディアさんによって女の子になっちゃいました。

種族的に言えば混ざり者。

猜疑心が強いのですが、クロウェル君のお人よしに少しだけ絆されてたりします。

世界観についてはさすがに嘘をつかないだろうとも考えてます。


お次にクロウェル君。

お人よしの具現ですね。

彼、ダンジョン内では強いですが、

フィールドでの戦闘経験は少ないんで、

実力が発揮しきれないこともしばしば。

ただのお人よしではないんですよ、これでも。

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