走る少女
皆さん、こんにちわ。
子供を助けて車に轢かれたと思ったら
魔法のあるファンタジーな世界で助けられて
女の子になりました。
俺は目の前の現実を信じたくありません。
何故かって?
外に出たと思ったら、ヒトを喰いそうな感じの化け物が
沢山いるダンジョンっぽい場所のど真ん中だったからだよ!
ルディアさん(俺を助けてくれた魔術師)、
なんでこんなところに居を構えてたんですか!?
どうして危険そうな場所のど真ん中に住めたんですか!!
魔物から逃げるために走り回ったから自分の現在位置も把握できてない。
つまり、安全地帯に行く方法がない。
……これはまずいのではないだろうか。
そして、実際に逃げ回っていて気付いたことがいくつかある。
この体、身体能力がとても高いようだ。
1キロも走ればばてていたあっという間にばてていたのが
5キロ以上走っているはずなのにぴんぴんしているのだ。
走る速度も速くなっている。
だが、そんなもの分かったところでこの状況が変わるわけではない。
「ギャオォォォオオオオオオオ!!!!」
トカゲみたいな恐竜みたいなやつ(仮称:トカゲ竜)が炎を吐いてきた。
……ドラゴンのブレスみたいなもんか!?
やばい、この距離からじゃ避けられない!
「……………っ!」
左腕に直撃する直前、何かが炎を遮断した。
熱さはさすがに感じているが怪我はしていない。
首にかけている鍵が薄ぼんやりと光っている。
何かの加護でもかかっているのか、これ。
「……これ以上、こっちにくるなーーー!!」
逃げながら叫んだその時、俺の周囲に竜巻が発生した。
……どういう、ことだ。
これが魔力というやつなんだろうか。
とりあえず、竜巻がある間にこのダンジョンもどきの外へ向かおう。
逃げ回っている間に、新たに分かったこと。
それは、俺が魔力を制御できていないという事だ。
竜巻はたいして長く持たなかったし、
もう一度発生させようとしたら氷の壁やら炎の壁やら別のが出てくる始末。
魔力を使っていると体力を消耗しやすい事。
だから、近づかれたときにだけ使うことにした。
とりあえず、近くにいた場合ならどんなのが出たとしても吹っ飛ばせるからな。
外に向かえば向かうほど、出てくる奴らが弱くなっていること。
もしかして、ダンジョンの奥地にでも俺はいたのだろうか。
そう思うとよく無事にでて来れたものだと驚いてしまう。
「…うわぁっ!」「…きゃうっ!」
考えながら走っていたせいか何かとぶつかってしまった。
きゃうってなんだ、きゃうって。女の子みたいな悲鳴あげて、って
今は女の子なんでした、違和感ない叫びでした。
しりもちをついて、ぶつかった何かを見ると、ヒトのようだ。
「…………ぁ」
大丈夫ですか!?と聞いてくるその人を無視して俺は走り出していた。
見下ろされるのはコワイ、この場所から逃げだしたい。
そう思うと足が勝手に動き出していた。
後になって思えば逃げ出さなければあんな目には合わなかったんだと思う。
まだ主人公の名前でてないんですよね、これ。
次の話では出せるように頑張りたいです。