表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クロニクル・ファンタジア  作者: clover
第1章 リーシア村編
15/19

旅の支度

 この世界の鞄は物理法則を無視している気がする。

 私の鞄はルディアさん作成のレアアイテムを惜しみなく使ったものだからこその性能らしいが、ある程度の重量無視と空間拡張はこの世界の鞄では標準らしい。

 だが物理法則を無視していることに変わりないのだから凄いとしか言いようがない。

 この世界の魔術は属性の組み合わせ次第で何でもできるらしいから感動だ。

 空間関係は難易度が高いので使えるようになるのかはわからないが、ディルムートが異世界転移できるんだし、先生はいると考えても問題ないはずだ。

 夢が広がるな。遊び感覚になりそうだな。気を引き締め直さないと。


 私の持つ鞄の場合、様々な魔法が掛かっており、

 通常の鞄の空間、重量無視で何でも入る広大な空間(上限:重さ10トン、体積1千立方メートルらしいがそこまで物を入れるのか?)、クレメントの遺跡の倉庫につながっている空間の3つの空間が重複している。

 通常の空間以外は入っているモノの時間を止める魔法もかかっている。

 取り出すときは対象を思い浮かべれば十分で、整理整頓の必要もない。

 リスト化の魔法があるため何を入れているかもすぐにわかる。

 持ち主以外には通常の鞄の空間しか干渉できないという封印までついているのだから笑えない。

 持ち主かどうかの判断はクレメントの鍵の持ち主かどうか判断する魔法が鞄にかけられている。

 形状はただのウェストポーチだという素晴らしさ。旅のお供にはもってこいだと思う。


 そんなことを考えているがやっていることは旅の荷物の準備中だ。

 店に行って必要そうなものを買い揃えて、持ち物全てを鞄にぶち込むだけの簡単な作業です。

 買ったものは主に魔法薬や食料関係だ。他はクレメントの遺跡を探索したときに入手した素材だな。

 クレメントの遺跡で入手できるものは中層を越えたあたりからの物はレアものも混じっているから確保しといて損はないらしい。

 そういえば、私の鞄はディルムートがうらやむレベルのエンチャント使いまくりの鞄らしい。

 ルディアさんは何を思ってこんなチートな鞄を作ったんだ。


 クロウェル曰くクレメントの遺跡は空間魔術関係のエンチャント素材が多く獲れるらしいし、深部で死ぬ気で素材集めをすれば同じレベルの物は一応作れるそうだ。

 ただ、クレメントの鍵を用いている部分だけはまねできないので別の方法で代用する必要はあるそうだ。

 エンチャント使えるようになれば作れるのか、そうか、クロウェルなら素材集めるだけなら行けそうな気がするのはなんでだ。

 あいつ、クレメントの遺跡限定なら尋常じゃない強さ発揮するし、自力で奥の方を多少なりとも探索できるって言ってたから、時間があれば素材集めきれるんじゃね?


「……こんな感じで大丈夫ですか?」


 荷物を鞄に入れ、内容物をリスト化して、ディルムートに確認を取る。

 余分なものがあっても気にはしない、足りない物がないかの確認だ。

 クロウェルの方はもう終わってるらしいし、彼には入れる最中に確認してもらったから多分大丈夫なはず。


「……………ふむ、念入りじゃのう。鞄の性能便りではあるがこれだけあれば十分だろうて。

 あぁ、言い忘れておったが、我は基本的に猫に化けておる。あと、我のことはディルと呼べ。」


 問題はないのか、そうか。なら、いいんだ。

 って、待てよ。お前、有名人だからって猫に化けて生活してたのか!?

 名前さえ偽っておけばそうとはばれないだろうに。

 あ、私がやったように、真実の眼持ちの精霊の力を借りられる人とかは見抜けちゃうのか。

 精霊の力は笑えないものだったんだな。


「それなら準備完了です。……わかりました、ディルと呼べばいいんですね。」


 私はこのリーシア村やクレメントの遺跡という穏やかに過ごせるゆりかごから出る。

 それは怖いけれど、外の世界がどんなものなのか、期待や不安もたくさんある。

 これからの旅が少しだけ楽しみになっていた。

ローグミナーエの鞄は冒険者が持つものは基本的に魔法の鞄です。

空間拡張がないと素材の確保ができないんである程度の物は安価に入手できます。

ラティエが持っているものレベルはさすがにほとんどありませんけど、

作ることは可能ですし、もっと上の鞄も存在したりします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ