表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クロニクル・ファンタジア  作者: clover
第1章 リーシア村編
1/19

プロローグ

初めての投稿になるので不手際などあると思いますが

一所懸命書いて行こうと思っています。

 例年通りの雪の降る寒い冬の日。

 いつも通りの日常を過ごしている‘はず’だった。

 どんなに辛い日常でも喪えば戻ってこない、

 どんなに惨めな物でも大切にしていたナニカはあったはずだったんだ。

 ‘俺’はその日、全てを失くして、どうしようもない孤独を手に入れた。


 いつも通り、誰もいない家の中で起きて

 いつも通り、学校の人間に蔑まれているかのような目線を向けられて

 いつも通り、暴力を振るわれて

 いつも通り、自分はいらないモノだなんだと暴言を言われて

 いつも通り、ぼろぼろのまま学校から帰っていたはずだった。


 いつもと同じはずの通学路、公園近くの交差点、

 歩道からボールと黒猫が転がってきて、ボールの持ち主らしき子供がそれを追う。

 そんな状況の中、車がその道路に曲がり角から走ってきた。


 子供は身の危険に気付いていない、このままではただでは済まないだろう。

 車の運転手が気づいてもこの距離ではブレーキが間に合わない。

 どうあがいても子供の命は助からないだろう。

 そう、俺が何もしなければ確実に。


 何気ない日常に嫌気がさしていた、少しくらい誰かの役に立ってみたかった。

 自分の命に価値なんて感じていなかった。

 だからだろうか、走って子供をもといた方の歩道へ突き飛ばした。

 そんなことをすれば俺が車にはねられる、いや、轢かれるに決まっている。

 でもあの子供は助けられた。だからそれでいいじゃないか。

 車に撥ね飛ばされながらも俺は何故か死ぬことが怖くはなかった。


 死にゆく中で俺はみゃあと黒猫が一声鳴くのを聞いていた。


 それが‘俺’が‘私’になる切っ掛けであり

 くだらなかったいつも通りの日常を喪うことになった始まりだったんだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ