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中級魔法 『飛行魔法』

飛行魔法考察


 今回はファンタジー世界ではわりとありふれている飛行魔法、フライングソーサラー(和訳すると魔法の箒)です。風属性に分類されます(無、特殊属性もあります)。



  まず飛行とはなんぞや

 飛行とは「空中を自由自在にかけまわること」です。前段階として「浮遊」を必要とする場合があります。


  では飛ぶ、もしくは浮遊しているものといえば

A飛行機(鳥)

B気球

Cリニアモーターカー

Dロケット

Eジェット水流

F無重力下での物質

G反重力の影響をうけている物質

H慣性制御


 が思いつきました、この中から飛行魔法に使えるものを探します。


  Hについて

 創作世界に登場する技術で、重力を遮断したり推進力を生み出したりするものです。飛行魔法よりも動き回りますが、当然こんな物は現実に無いので除外します。


  Gについて

 SFなどでたまに登場する「反重力」により上向きに「落下」しています、では「反重力」とは何か、これは重力を反転させたものの様です。

 しかしそんな事は不可能なので反重力は除外します。


  Fについて

 これは宇宙船からの中継でよく見ますね、文字通り重力が無いので「落下しない」のです。

 ただしこれを地球上で再現するのは無理なのでこれも除外します。


  Eについて

 これはどこか外国で発明された物で、ホースで湖の水をタンクに集めた後、それを下向きに噴射し反作用により飛びます。

 これなら一人でも扱えますが水場以外では使えませんし自由自在とはいきません。


  Dについて

 これはそのまま推進剤を爆発させてうまれる推力によって飛んでます、飛ばす物が軽い程労力は下がりますが要は足下で爆発が起きているという事です。殆どは耐えられないと思うので除外です。


  Cについて

 これは最近テスト使用された記憶があります、理屈としては地面の側と車体の側に同じ磁極を発生させ、その反発で浮きます。そして前方の地面は異極にして誘導、これを繰り返した結果として前に進みます。

 これも難しいです、あまり高くは飛べませんし(遠ざかる程に反発力は弱まります)直線的な移動なら制御出来ても縦横無尽とまではいかないので(不可能ではありません)。

 何より健康面の心配があります、昔は携帯電話の電波ですら危険だという人達も居ました(直線的な心配はありませんが病院の機器類への影響はあります)、事実リニアモーターカーの電磁波や磁力が人間に害がないかはまだ分かりません。

 しかし人間を直接磁石にするなら流石に危険なのが分かると思います、なのでこれも除外します。


  Bについて

 これは温めた大量の空気が浮力をもつので、それを利用したものです。

 個人で度々使うのは難しいとは思いますが。


  Aについて

 これは既に現実で空を飛ぶ手段として確立されていますね、原理はロケット推進によって加速、その際に翼に風をうけることによって発生する揚力によって浮いています(あの翼の形状で揚力が発生する理由の全てが解明されているわけではないようです)。

 また鳥が飛ぶ理屈も同じです、自ら羽ばたきその翼に風をうけ発生した揚力により飛んでいます。

 身近なものだと紙飛行機や凧です。



  ではどれが飛行魔法に向いているのか

 A〜Hの殆どが除外されたので残るはAの揚力とBの浮力です。

 ではまずAを試してみましょう。Aの揚力を利用するパターンは四つあります。

・飛行機のように飛ぶ

・紙飛行機のように滑空する

・凧の様に風をうけて滞空する、

・鳥のようにはばたいて滞空、移動


 まず紙飛行機は論外です、パラグライダーの様に高い所から滑る様に落ちるだけなので。

 では飛行機はどうか、これはロケットが必要です、一時的にでも加速する必要があります、最初の離陸時は走っても良いですが、空中ではロケットの様な推進器が無ければ動けません。

 同時に風をうける翼を用意しなければいけません、これはハンググライダーが向いているでしょう。もし身一つで再現するならウルトラマ○の様にしましょう。


 ではこれをまとめてみましょう。

・マントに偽装したハンググライダー

・ロケット(風魔法で良いでしょう)


 はい、犯罪者番号1412さんですね。ハンググライダーの勢いを殺さないよう水平を意識した体制で、曲がる時も周回する形になります。しかし一応魔法を使った飛行です。


 次は鳥の羽ばたきです。これも論外です、風魔法で風を強くしてもはばたいて飛ぶ為に必要な力は変わりません。



 今度は凧です。これは凧を用意して風をうけると浮き、移動しますそれを糸で制御する仕組みです。

 凧は出来るだけ大きくした方が飛べます、昔の忍術に凧で飛ぶものがありますがあれよりも大きくする必要があります。流石に持ち歩くのは無理なので魔法で作りましょう、材質は『固体酸素』です(風刃考察参照)。

 凧にうける風は自分で起こす事が出来るので糸は必要ありません。


 ではこれもまとめてみましょう。

・『固体酸素』で大きな凧を作る

・『風』魔法で浮かし、移動。同時に制御します。


 これなら『風凧』というより『風帆』ですね。

 しかし何か物足りません、これでは自由自在になりません。


 なので

 「凧」を「翼」に変えます、場合に合わせて変形させます。

 推進力の「風」以外に『固体酸素』の気化による「爆発(比喩ですが)」で動かします。

・直線移動を行う時は水平よりやや上方に向かせ気化推進による高速移動

・ブレーキをかける時はまさに凧の形に

・左右の翼で異なる挙動を行えば方向転換も容易となる

・滞空時は自らの翼に風を吹かして揚力、同時に気化推進を行う


 結晶の様な翼を持ち、気化熱によって翼の周りは輝き、時には翼の一部を刃に変えて飛ばす(結晶の翼は時に色を変えて相転移により性質を変える、気化冷却により大気中の水分が凍り風が吹きすさぶ、翼は『風刃』と化し羽は『突風』となる)。

 ほぼ自在に飛べるので完璧ですね『飛翼翔風』と名付けましょう(もしくは飛翔風翼とか)。


 一応意図せずに自在飛行は完成しました、でもまだもう一つ案があります。


 私の中では飛行魔法の定義は

・道具を使わない

・人を浮かす、飛ばしている「力」や「物」な見えない


 でした、つまり『飛翼翔風』の本質は飛行ではなく便利な『風翼』だと考えてました(飛行魔法でも良いとは思ってはいます)。


 Bの気球の浮力からの連想を元にしました。と言っても気球の様な物に吊り下げてもらう形ではありません。

 まず『固体酸素』を作れるのだから『液体酸素』、そして『液体酸素』に近い比重の重い酸素も作れると考えます。

 『液体酸素』の密度は1140kg/m^3で水の1.14倍です、つまりこれに近い比重の酸素は水よりも物を浮かす力に優れているのです。

 ここまで言ったら分かる方も居ると思いますが、これは空気中を「泳ぐ」魔法です。


 この魔法の特徴は

・魔法を行使している間は落ちる事の方が難しい

・周りの『浮風』を操作すれば『対流』を再現した「道」が出来ます、これは『水流』よりも重いので移動が簡単になります(ウォータースライダーならぬエアロウェイ、エアーズロード、ウィンドストリームなど、大規模なものはウィンドストリートとでも名付けましょうか)

・高速移動時の呼吸も安定します(直接吸ってはいけません)、また多少の障害物も押し退けてくれます。

・水と同じくらいの重さなのでこれで『風塊』を使えば『水球』に並びます(しかも見えない)。


 ここまで書いて気づいたんですが、『浮風』と『飛翼翔風』を併用したら最強な気がします、更に『浮風』から『飛翼翔風』への移行も可能。『浮風』は移動用ですね。



  ここまでのまとめ

 マントをハンググライダーに改造しておけば『突風』だけで飛べます。


 水より重い『浮(力)風』を使えば空を泳げる(水でも可、土ならその上に乗りましょう)。


 技量が高まるにつれ『風帆』→『風翼』→『飛翼翔風』となる。


 『飛翼翔風』と『浮風』を併用する事で更に強力になる(気化推進の一部を『浮風』にして翼を「軽く」する、使用者を保護する。『重い風』なので攻撃力と推進力が向上する)


  『飛翼翔風』の詳細

『酸素分子の結合操作』(随意変形)+『気圧操作』×『運動エネルギー操作』(『突風』)+『酸素分子の結合操作』(固体状態からの解放)+『酸素分子の結合操作』(『浮風』)



  結論

 最初は『浮風』を想定してたのですが途中で最高な魔法になってしまったうえに『浮風』を併用する事も可能。


 飛行魔法の分類は中級魔法、『飛翼翔風』(『浮風』併用)自体の難易度は上級相当。


 簡易飛行魔法の分類は初級魔法になる。


 『浮風』の容量で水も重く出来るかと言うとむしろ逆で、「氷」の方が比重(密度)が軽く(小さく)なってしまいます、つまり水よりも『風』属性の方が重い一撃を出せます。


 これを書くまで気化推進の存在を忘れてました、これなら『風弾』『風塊』『風刃』『風槍』がもっと強力になると思います(銃の様に打ち出したり)。

 『風槌』だと打撃部分に爆弾が付いてる様なものです。


 また、『固体酸素』は無理矢理その形態を維持していますが、『火球』をくらうと崩壊するかもしれません(本人の技量次第ですが)。


 これが大事ですが、あまり科学文明が発達していない世界では効率の悪い飛行魔法になっている可能性が大きいです、せいぜい力任せの『風帆』レベルだと思います。



ついでに


『風弾・爆破』=対象内部まで侵入した『固体酸素』の弾丸が気化したせいで爆破、同時に気化冷却により傷口が凍ります(刃だと傷口が大きいので殆どが逃げます)。


『液体酸素爆弾』=液体酸素を有機化合物(何とは言いませんが)と混ぜるとちょっとした爆弾になります、街中へ液体酸素を大量に流し込めば何処かで爆弾が出来ます。


『風壁』=火属性に極端に弱いが、気化するので爆発。


属性の優劣

『火』は『風』に強い

『氷(凍)』は『風』には勝てない

『水(氷)』は『風』より弱い?

『雷』は『風』をすり抜ける(電気抵抗値を上げると電熱で爆発)

『土』は同列

ちなみに『固体酸素』が気化すると体積が1000倍に膨れ上がるということです。


めちゃくちゃカッコ良くなりました(翼にて飛び、風をもって空を翔ける)、『土』や『水』で対抗するには『魔道巨神』を作らなければっ……各属性で強力したらもっと凄くなる?


でも「水中」とか「地中」なら『土』『水』が最強ですけど。

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