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【挿絵付】月本菜穂物語  作者: ㈱姫神V
7/11

高2、おばあちゃんちで夏休み②

玄関を出て裏庭に回り込む。

池の縁にある大きな岩はちょうど日陰になっている。

三人並んで大岩に腰掛けて、サンダルのまま池に入ると、

「う~ん…ぬるいね…」


冷たい!気持ちいい!って感じじゃない。

そうだよな、確かに毎年こんな感じでがっかりして、

「でも少しは涼しい気がするよね?」

そう、そうして慰めるとこまでが定番だったな…

喉元過ぎれば、じゃないけど忘れてた。


その時、家の横にある蛇口にホースが付いてるのを見て思い付く。僕は黙って池から上がると蛇口に近付く。

「どうしたの?もう戻る?」

振り向き様に、 岩に座る二人の頭上辺りにホースを向け蛇口を開ける!ホースの先はぎゅっと潰した。


「うわ~ミスト!?」

「あっ!なんか涼しくなった!」

学校や公園で見られるミストの真似をしてみた。

これなら陽の光で温められてないから涼しいはずだよね!


挿絵(By みてみん)


「いいね!涼しくなったよ」

「なお、やるじゃん!」

「へへっ!どうどんな感じ?」

「じゃあ代わるから味わってみる?」

やっぱり孝介くんは優しい。


「うん、ありが…ぶわっくしょん!」

「うわっ!」「きゃあ!!」

あっ…くしゃみしたせいでホースの先の潰し方が変わり…二人に思いっきり水を浴びせちゃった…


すぐにまたミストの潰し方に戻したけど、二人は頭から水を被ってびしょ濡れだった。


「な~お~…」

「まぁまぁわざとじゃないし、この暑さならすぐに乾くんじゃない?」

孝介くん、優しい!お姉ちゃんの起こすと顔とは全然違う。


「もう!でもちょっと?結構涼しくなったから許してあげるか」

お姉ちゃんもつられていつもより優しい。助かった。

でもそれにしても二人とも見事にずぶ濡れだ。

お姉ちゃんなんかブラジャーまで透けちゃってる。お姉ちゃんがそういうのに細かくなくてよかった。


挿絵(By みてみん)


孝介くんはちょっと困ってるみたい?

なんでだろ?ブラジャー、見たことないのかな?

そのあとは孝介くんがホース係を代わってくれるっていうから今度は池じゃない方に先を向けて渡す。


岩に座る僕たちの上にミストをしてくれて、ホントだこれは涼しい!なんて姉弟で喜んだ。

孝介くんはホースの先の潰しが緩まないようにか、こちらを真剣に見ながら上手にミストをしてくれた。


細かいミストもずっと続けてるとしっとりしてきたから、池に新鮮な水を入れて、最後に少し涼んだあと、岩の上に上げた足が自然に乾いたら家に戻ろうと決まった。


やがて足は乾いた。

「服が乾くまではさすがにいられないよね」

「おばあちゃんちのシャワー借りよう?服が重なってるところは絶対乾かないもん」

二人で決めてる。


僕のせいで申し訳なかったけど、三人で入るにはもう狭いと思うし、僕だけ濡れないで、二人だけでよかったのかもしれない。


服から水が垂れない所までは乾いていたので、三人でそっと二階に上がり着替えを取りに行く。

孝介くんはさっと着替えを掴むと

「すぐ出るからね」と言って階段を下りていった。 なんでだろ?一緒に行けばいいのに。


お姉ちゃんも、ん?て顔してこちらを見る。

そして着替えを持って階段を下りていった。

僕はその間することもないし、テレビを見て待つことした 。


数分後、髪とかびしょ濡れのままの孝介くんが戻ってきた。

「どうしたの?もっとちゃんと拭いた方がいいよ?」何を焦ってるんだろう。


「なんか、菜穂ちゃん、すぐ来たんだけど!」

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