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異文化理解したいのに、なぜか全員が多様性の地雷を踏み抜き、私の胃だけが死んでいく件  作者: めるのすけ
第十四章:歴史という多様性

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第七十九話:階級社会

イタリア:

貴族だ、平民だって話をしたけどさ。

現代だって階級なんて、形を変えてそこら中にあるだろ?


女性社員:

どうでしょう……日常で「階級」って言われると、あんまりピンとこないかも。


男性社員:

恋愛格差とか、経済格差とか?

あと "実家の太さ" とか。あれも階級っちゃ階級っすよね。


MtF:

そうねぇ。身分制度みたいに名札が付いてるわけじゃないけど、

立場で「出来ること」が変わるのは今も同じかも。


ムスリム:

平等と言うのは簡単デスが、実際の運用は難しいものデス。


韓国さん:

……韓国だと、それがかなり露骨です。

学歴社会は現代の身分制度みたいになってしまっていますね。


私:

話には聞いたことあるけど、そんなに酷いのかい?


韓国さん:

はい。どこに就職できるかが、その後の人生を左右しやすい。

就職試験などでは "どの大学の卒業生か" を過剰なほど重く見られます。


女性社員:

日本で言うと旧帝大とか早慶、みたいな?


韓国さん:

方向性は近いですが、体感としてはさらに苛烈かと。

いわゆる SKY ―― ソウル大学・高麗大学・延世大学。

この三つが、象徴として別格扱いされがちで。


女性社員:

えっ、そこまで……


イタリア:

受験というシステムは、現代における階級の再生産になりやすい。

家が富めば教育に投資できる。投資できれば難関に届きやすい。

届けば高収入に近づく ―― それが親から子へのバトンとして続いていく。


ムスリム:

何処の国でも似たような構図はアリますね。

形式上は平等でも、実態は階級社会という国は少なくないデス。


韓国さん:

「明文化されてない階級」は、実に厄介です。

制度ではなく空気で決まるがゆえに、軌道修正もしづらい。


ムスリム:

王族や宗教指導者のように階層が明確な方が、

逆に衝突が少ない場面すらありマス。


私:

ううん。階級って、あっても無くても難しいねぇ。

昔は家柄がすべて、今は見えない格差。どっちも胃が痛くなりそうだ。


ムスリム:

上司サンはまず、自らの胃を守る努力をするべきデース。


イタリア:

そうだね。あとは頭髪も、守れるうちに守った方が良い。


私:

それは加齢もあるからね!?

ああもう、どうしろと(´・ω・`)




・見えない身分証「メリトクラシー」

かつての世界では、階級は血筋によって決まっていた。そして近代化はそれを「努力と才能(能力)による競争」へ置き換えた ―― 少なくとも建前としては。


だが現代の能力主義メリトクラシーは、しばしば新しい階級を生み出す装置にもなる。

学歴や専門スキルは、目に見えない「現代の身分証」だ。それは知性の証明であると同時に、教育投資を受けられた環境や、社会のルールに適応できる資質を示すものとして見なされがちでもある。


この仕組みの残酷さは、勝った側が「努力だけで勝った」と思い込みやすく、負けた側が「自分の能力が足りないからだ」と自尊心を削られやすい点にある。血筋なら「生まれの問題」として切り離せたものが、能力主義では人格そのものに優劣のラベルが貼られやすい。


ちなみに "meritocracy" という語自体、もともとはマイケル・ヤングが1958年に皮肉を込めて用いた言葉として知られる。私たちは平等という看板の裏側で、かつての貴族制度よりもずっと巧妙で抜け出しにくい、目に見えない檻に閉じ込められているのかもしれない。

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