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異文化理解したいのに、なぜか全員が多様性の地雷を踏み抜き、私の胃だけが死んでいく件  作者: めるのすけ
第十四章:歴史という多様性

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第七十八話:庶民感覚

男性社員:

なぁ……なんか昨日から、イタリアの扱いが難しいんだけど。


女性社員:

分かる。

普通に接してって言われても、あれ聞いたあとだと、

どうしても気をつかっちゃうというか。


MtF:

出ちゃってるのよねぇ。

日本人特有の「遠慮の文化」。


ムスリム:

宗教的敬意とも違いマスね。

どちらかといえば、「身分差」への過敏さでしょうカ。


韓国さん:

儒教圏ほど露骨ではありませんが、

上下関係への感度はかなり高い文化だと思います。


(そこへ)


イタリア:

Buongiorno!みんな、おはよう。


男性社員:

お、押忍!おはようございます!


女性社員:

お勤めご苦労様です!


イタリア:

…………


MtF:

(溜息)

あなたたち、落ち着きなさい。完全にヤクザの挨拶よ、それ。


イタリア:

違う、違う!そうじゃない!僕は君たちを対等だと思ってる。

同僚で、友達で、近しい存在で……だからその反応は、正直ちょっと悲しいよ。


男性社員:

いやでも、うっかり雑にツッコんだら、外交問題に発展しそうで。


イタリア:

なるわけないだろ!

爵位なんて、家の歴史上の飾りにすぎないんだ。

僕自身の価値とは、何の関係もない!


ムスリム:

ナルほど。古びた称号、という位置づけデスカ。


イタリア:

いや「古びた」扱いは失礼だよ!?

歴史があると言って欲しいな!


韓国さん:

イタリアさんの言うことは正しいですね。

日本は自己評価が低く、相手の肩書きに過敏になりすぎる傾向があります。


女性社員:

「庶民が調子に乗っちゃいけない」みたいな感覚は、

どこか染みついちゃってるかも…


私:

う、うーん。僕たちの世代は特に「偉い人には敬語、頭を下げる」が

体に染みついてるからね……


イタリア:

だから普通に接してくれと言ってるじゃないか!


男性社員:

……分かった。じゃあ、今まで通りの扱いで行くぞ?


イタリア:

ああ、そうしてくれ!


男性社員:

おはよう、生ハム野郎!


イタリア:

言い方ァッ!!


ムスリム:

尊厳の問題デース……


私:

距離感って難しいね……どうしろと(´・ω・`)




・見えない階級と「タテ社会」の引力

日本社会では、制度としての身分制が解体された後も、場の空気や関係性の中で無意識に「上下」を読み取り、言葉遣いや距離感を調整してしまう傾向がしばしば見られる。相手が上だと認識した瞬間に、敬語・遠慮・忖度が過剰に立ち上がり、対等な関係が急にぎこちなくなる ―― 作中では、そんな空気を書いてみた。


現代において爵位という肩書きは、法的な特権というより「家の歴史」や「社会的記号」に寄りやすい。そこでよく引き合いに出されるのが、恵まれた立場にいる者ほど慎みと責任ある振る舞いを求められる、という倫理 ―― いわゆるノブレス・オブリージュだ。これは「恵まれた者は、そうでない者に対して誠実かつ責任ある行動をとるべきだ」という規範である。


家柄という生まれ持った属性を笠に着ることを品がないとみなし、自らの振る舞いによって敬意を得ようとする、それが現代貴族に相応しいの高潔さの現れ、なのかもしれない。

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