第四十一話:お見合いという文化2
私:
もちろん、お見合い“だけ”が結婚ルートじゃなかったよ。
職場で仲良くなる人もいたし、地域のコミュニティ、学生時代からの交際……
そういう自然な出会いで結婚する人も多かった。
友人の披露宴の二次会なんて――ほぼ "疑似お見合い会場" みたいになってたよ。
女性社員:
ちょっと想像つかないですね。披露宴の二次会が出会いの場って……
男性社員:
怒られない、セクハラ扱いされない、
クリーンな出会いを、誰か…どこかに……
イタリア:
学生時代からの恋人とそのまま結婚、なんて最高にロマンチックじゃないか!
王道中の王道だよ。
私:
ただ、今は企業のコンプラが厳しいからね。
職場恋愛が分かると、むしろ部署を分けたりするくらいなんだ。
ムスリム:
合理的ではありマスね。
仕事は仕事、恋愛は恋愛。混ざると面倒が増えマス。
MtF:
ただその結果……
"職場" から出会いの場という概念が、ほぼ死滅したのよね。
自治会も町内会も弱くなってるし、地域コミュニティも機能してないし……
韓国さん:
学生時代にパートナーを得られなかった場合、
社会人になってからは自己責任で探すしかない……という構造ですね。
女性社員:
確かに、昔より難易度は上がってる気がします。
男性社員:
これ以上、俺の未来に絶望を上塗りするのはやめてくれ……
どん詰まりじゃねぇか……どうしろと(´・ω・`)
・社会意識の向上と、恋愛の高難易度化
昔は職場、親族からの商会、町内会、青年団、地域イベント…自然な出会いを供給するコミュニティが充実していた。しかしこれらの大半は、現代では大幅に弱体化している。
他者に不快感を与えることは悪だという意識が高まり(これ自体は決して悪い事ではない)、結果として恋愛行動そのものが"ハイリスク"になってしまった結果ともいえる。
その代わりとして "出会う事を目的とする人々が集う場" として、婚活市場やマッチングアプリが現れたわけだが…そこでもまた、熾烈な競争が栗広がっているのは37話~38話で触れた通り。ままならないものですね。




