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異文化理解したいのに、なぜか全員が多様性の地雷を踏み抜き、私の胃だけが死んでいく件  作者: めるのすけ
第七章:家族という多様性

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第三十六話:家族

私:

とはいえ、家族もいるからね。

いつまでも休んでいられないし、できるだけ早く復帰するよ。


韓国さん:

お気持ちは分かりますが。

ご自身のことも大切にしてくださいね。


(メンバー一同、軽く頭を下げて病室を退出)


── 病室の外 ──


イタリア:

家族、かぁ。

上司さん、ああ見えてやっぱり "一家の大黒柱" なんだねぇ。


ムスリム:

妻子を養うのハ、男として崇高な使命デス。

働く意欲の源になりまスシネ。


男性社員:

(気まずそうに目を逸らす)


MtF:

……モテない男には、刺さる話よねぇ。


男性社員:

うるせぇ!!


女性社員:

えっ……あの、男性社員さんって彼女さんとか、いないんですか?


男性社員:

ほっといてくれよ(´・ω・`)


イタリア:

でも君、気のいいやつだし、

その気になればすぐに相手見つかりそうだと思うけどね?


男性社員:

ほっといてくれよ(´・ω・`)


ムスリム:

家族はいいものデスよ。

子どもの笑顔は、本当に幸せな気持ちになれマス。


男性社員:

…オレの "嫁" なら。

ほら、ディスプレイの向こう側にいるから。


(短い沈黙)


MtF:

(逃げたわね、完全に)


女性社員:

(あっ、そういう人だったのね)


イタリア:

……どういう意味なんだい?


ムスリム:

ディスプレイの向こう…?海外にいらっしゃり、テレビ電話デスカ?

(※真剣に考えている)


男性社員:

ちょ、やめて。説明させないで……

ほんと、どうしろと(´・ω・`)




・ヨーロッパとイスラム圏の家族観

■ 西ヨーロッパ(イタリア)

一般に「日本と似ている」と思われがちだが、

実は日本より "家族のつながりが濃い" 文化圏である。


誕生日や記念日の食事など、家族行事は仕事より大事

親子の距離が近く、成人後も同居は普通

宗教色は薄いが「家族を大切に」が文化の核


■ イスラム圏

イスラム圏の家族観は "最重要の社会単位=家族" という思想が非常に強い。


親は敬うものであり、婚前は貞節を守るべきであり、結婚して子供を育てて一人前。

親族ネットワークが非常に強く、縁談や就職もサポートしあうのが普通。

「家族を養うのは男性の義務」という意識も、信仰とリンクして明確にある。


どちらも現代日本の家族観とは異なっている。

このすれ違いが、作中の会話の妙な温度差を生んでいるわけですね。

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