第三十二話:エクセル
男性社員:
あああああああーーーっ!!
女性社員:
ど、どうしたんですか!?
男性社員:
上司さん!!いつも言ってるじゃないですか……!
Excelのセルを"安易に結合しないでください"って!!
私:
ご、ごめん!
ほら、文章がはみ出てると読みにくい気がして、つい……
韓国さん:
セル結合、ですか(沈痛)
イタリア:
Oh……(絶望)
ムスリム:
それは、プログラムに対する冒涜デース。
MtF:
気持ちはね、わかるのよ。読みやすくしたいだけなのよね……
私:
だって、セルを一つずつ選んで読まないと
文章が切れるなんて、それこそ"非効率的"じゃないかい……?
(全員が息を呑む)
女性社員:
……言ってること自体は、わかるんですけどね。
でもセル結合すると、Excel全体の処理が壊れちゃうんですよ。
汚れた機械をきれいにしたいと思っても、お風呂に入れちゃダメですよね?
同じレベルの破壊行為なんです。
男性社員:
並べ替え(ソート)できない!
フィルタも狂う!
関数も死ぬ!
VLOOKUPが泣く!
イタリア:
表の"構造的な美"を破壊するからね。
Excelが悲鳴を上げるレベルだ。
ムスリム:
セル結合されたExcelの魂が、どうか安らかでありますヨウに。
私:
ええぇ、僕にはさっぱり分からん……
どうしろと(´・ω・)
・エクセル(Excel)
世界で最もメジャーな表計算ソフト。
数字や文字を表の形に並べておくと、自動で計算したり、綺麗に並べ替えてくれたり、必要なデータだけ抜き出したり、とても便利で賢く働いてくれる。
ただし、それは "表がきれいに並んでいる" ことが大前提。
作中に出てきたセル結合という行為は、いってしまえば「行動の中に規則正しく並んでいる椅子の中に、とつぜん長椅子をズドンと設置する」行為。通路は塞がり、列は狂い、整列も移動もできない。整然な並び、という前提をのものを破壊する行いなのだ。
Excelは「整列されたマス目」を前提に動くため、結合されているだけで "正常な表" として認識できなくなり、表計算ソフトとしての能力をほぼ全て失ってしまうのだ。絶対にやってはいけない。




