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異文化理解したいのに、なぜか全員が多様性の地雷を踏み抜き、私の胃だけが死んでいく件  作者: めるのすけ
第一章:食文化という多様性

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第三話:イタリアン3

男性社員:

あー、そっか。イスラム教徒は豚とアルコールダメだよな。となるとワインやサラミ、生ハムは無しで…ハラール対応のイタリアンって難しくねぇ?


イタリア:

ムスリム氏の宗教観には配慮するが、極めて難しいのは事実だね。レストラン側に対応してもらうのは無理かもしれない。


女性社員:

そっかー、残念。


ムスリム:

わ、私が悪いデスカ?皆さんの楽しみを壊したナラ、本当に申し訳ないデス……


私:

そんなことないよ!多様性のかみ合わせが…その、良くないだけで。


イタリア:

仕方ない、限られた食材の中で私が手ずから料理しよう。ホームパーティーという形にしてもかまいませんか?


私:

おお、ありがとう。それなら材料費は私が出すよ!


女性社員:

やったぁ!カルボナーラのベーコンがダメなら、チーズとか生クリームでコクを出せばよいですもんね?


イタリア:

………は?


男性社員:

(ため息)また地雷踏み抜きやがった…


私:

え、地雷なの?ああ、どうしろと(´・ω・)




・カルボナーラ

日本でもパスタの定番として愛されているが、本場イタリアのカルボナーラはベーコン、生クリームを使わない。イタリアで使われるのはグアンチャーレ(豚ホホ肉)、卵、ペコリーノロマーノ(チーズの一種)、黒胡椒。


生クリームを入れるのは日本独自の洋食風アレンジであり、「カルボナーラに生クリーム入れよう」は、本場イタリア勢にとって"歴史的食文化を侮辱された"という激怒ポイント。酢飯に酢じゃなくケチャップ入れようぜ、くらいのノリなのだ。


現実でもイタリア農相がフェイスブックにて「カルボナーラのパンチェッタは論外として、こうした製品は全て最悪のイタリア風製品の代表格だ。それが欧州議会のスーパーマーケットに陳列されるなど容認できない」とカルボナーラ案件でマジ切れしているほど。取扱いにはご注意ください。


※イタリアでも地域や家庭で多少の差はありますが、「生クリーム入り=別料理」という認識はほぼ共通です。

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