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異文化理解したいのに、なぜか全員が多様性の地雷を踏み抜き、私の胃だけが死んでいく件  作者: めるのすけ
第四章:法制度と多様性

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第二十話:産休2

男性社員:

しかしさ。入社とほぼ同時に妊娠って、それ分かってたんじゃないのか?


女性社員:

ちょっと。それ以上は完全にセクハラだから、私に振らないで。


男性社員:

あ、悪い。いや、別に責めたいわけじゃないんだけどさ。


MtF:

私も女としては祝福してあげたいのよ。

でも、事情がまったく見えないから、なんとも言えないわねぇ。


ムスリム:

アナタの祝福したい“気持ち”はわかりますが……女として、トハ。

いえ、今性別の話に踏み込むのは……やぶへびデス。



イタリア:

しかし新卒で、もう家庭を持っているということなのかな。いや、今どき珍しいね。


男性社員:

そういや、履歴書って家族欄あるよな?上司さん、どんな家族構成か…ってこれ聞いちゃダメな奴か。


私:

(新入社員の家族欄に書いてあったのは"両親"のみ。つまり…未婚の母、ということになる。

でもこれは、安易に私が口に出していい種類の情報じゃないなぁ)


女性社員:

上司さん? なんか……知ってる感じの顔してません?


私:

い、いや。個人情報なので、なんとも……


イタリア:

もしかして、結婚していないのか?

だとしたら、これはどう理解したらいいんだ……?


男性社員:

いや、でもそれ本人の事情だし。俺らが憶測でアレコレ話すのは違うよな。


ムスリム:

そもそも、家族構成や身元の事情は、職場で話題にすべきことではアリマセン。

本人が語らない限り、詮索は良くないデス。


女性社員:

……だけど、フォロー体制どうするかは考えないといけませんよね。

産休・育休って、部署の負担もあるし。


私:

(祝福すべきことなのに、制度としては正しいのに。

"情報を共有して話し合えない"だけで、こんなに空気が重くなるなんて……)

ど、どうすれば……(´・ω・`)




・イスラームと性別認識(MtF)

イスラーム圏において、トランスジェンダー(MtF・FtM)への見解は地域ごとに幅があるが、

共通しているのは、“生まれた時点の肉体的性別が、社会的性別の基準になる”という点。

これは良し悪しの話ではなく、あくまで宗教上の基準がそうなっている、というだけである。


そのため信仰者の間ではMtF当人を女性として扱うかどうか、は宗教的・文化的に難しい場面がある。

ただし個々人の優しさや配慮とは別問題であり、ムスリム本人が「場を乱さない」ために言葉を選ぶことも多い。


※作中のムスリム氏の落ち着いた対応は、現実にもよく見られる“信仰と共生のバランス”の取り方。

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