第十話:トランスジェンダー2
私:
ごめん、女性社員たちが抵抗を感じてるらしくいんだ。ただ、専用の更衣室はすぐには用意できないから…本当に申し訳ないんだけど、しばらく"男性向けの更衣室"を使ってもらえないかな。
MtF:
わかりました。大丈夫ですよ、そんなに気にしないでください。こういうことには、慣れてますから。
私:
いや、本当に申し訳ない……。
MtF:
でもね。アタシを"女性として扱おうとしてくれる上司さんがいる"ってだけで、この職場は“当たり”だと思ってますよ。
~~ 数日後 ~~
男性社員:
上司さん、ちょっといいっすか。
私:
うん? 何かあった?
男性社員:
その、例のMtFさんの件なんすけど。男子更衣室に行ったらブラとか、女性モノのブラウスが普通に掛かってて……いや、悪気はないんだと思うんですけど。正直、俺らも心理的な抵抗がデカいというか。
私:
女性更衣室もダメ、男性更衣室でもダメ。ど、どうしろと……(´・ω・)
・更衣室問題がなぜ難しいのか
トランスジェンダーの尊厳と、"肌が見える空間"での他者の安心感は、しばしば真っ向から衝突してしまう。
・性自認を尊重したい
・でも身体差から来る違和や不安も理解できる
どちらも間違っていないため、簡単には線引きできないのが現実。突き詰めると"誰を我慢させるのか"という問題になってしまいがちなのだ。どの国・どの企業でも「制度」「物理設備」「人の気持ち」の折り合いを探り続けているテーマです。




