第7話 10月
(電車が走っている音)
(お昼の電車に乗る)
(彼女の隣に立つ)
「ん…おはよ…少年」
「いや…こんにちはかな?…少年」
(彼女が耳元で囁く)
「やっぱり今日は人が多いね。いつも以上に電車が満員。みんなハロウィンイベントに行くのかな?」
(彼女が上目遣いで聞いてくる)
「少年はどんなコスプレをするの?」
「へぇ…ドラキュラかぁ…。いいね!きっと似合う!」
(ウキウキした顔で)
「ちなみに…お姉さんは何のコスプレをすると思う?」
「やっぱり人気なのは少年と同じドラキュラだよね…」
「あとは、フランケンシュタインをする人…アニメのキャラのコスプレをする人もいるよね…」
(彼女が自信満々に)
「…けど…お姉さんさんは一味違います!」
「お姉さんはなんと…」
(胸に手を当てて、自信満々に)
「包帯男です!」
(彼女がこちらを覗き見る)
「どう?似合うと思う?」
「実はお姉さん…コスプレ初めてだから迷っちゃった」
「少年も初めて?」
(頷く俺)
(彼女が耳元で囁く)
「うふふ…やった…少年の初めて…奪っちゃった」
(動揺する俺)
(彼女が赤面しながら)
「もう…そんなに照れちゃって…」
「それに…どうしたの?」
「顔…赤いよ?」
「え?どうやって着るの?…だって?」
「それは簡単だよ」
(ジェスチャーしながら)
「包帯をただ巻くだけだよ」
(返答に納得いかない俺)
「あれ…なんか納得してなさそうだね…」
「あ…もしかして、中の服の話?」
「確かに包帯男は包帯ぐるぐる巻きのイメージがあるもんね」
(彼女がニヤつきながら)
「少年としてはお姉さんが裸で包帯を巻くのか…それとも中に服を着るのか…重要だね」
(彼女が体ごとこちら側に向く)
(ポヨンッ!)
「さぁ…どっちでしょう?」
(彼女が上目遣いで)
「ヒントは…少年が嬉しい方だよ…」
(答える俺)
(彼女が耳元で囁く)
「……正解」
「コスプレする時は下着も脱ぐよ」
(彼女が顔を近づけてきて)
「つまり…包帯の下は…ハ…ダ…カ」
「うふふ…やっぱり少年…エッチだね…」
(電車が停車する音)
(2人で電車降りる)
(電車の扉が閉まる)
(彼女が体の後ろで手を組み)
「だからね…少年……お姉さんが着替えた後…大事なところはみ出してないか確認してね…」
お読みいただき、誠にありがとうございます。
この作品の感想やブックマーク、評価をして下さるとありがたいです。筆者が泣いて喜びます




