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第2話 5月

(スースー)

(彼女が寝息を立てている音)


(僕は寝ている彼女の正面に立つ)


(パチッ)

(彼女の目が覚める)


(彼女が眠たそうに)

「……ん…おはよう…少年」


「いい朝だね」



(目を擦って、まだ眠たそうな彼女)


「え?なんで今日は座れているかって?」


(少し照れた顔で)

「確かにいつもは立っていることが多いけれど…」 


(腰に手を当てる彼女)


「今日はいつもより早起きができたんだ。だから早くから電車の列にも並べて…席に座ることもできた」


(彼女が笑顔で)

「えへへ…少年、褒めて…」


(彼女が頭を突き出してくる)

「んふ…女性の頭を撫でるなんて、ウブな少年には厳しいかな?」


「でもでも…お姉さんもご褒美欲しいな」


「え?お姉さん『も』って…どういう意味だって?」


「いやいや…少年…気づいてるよ…」


(彼女が上目遣いで)

「…少年、今もお姉さんの胸…見てるでしょ?」


(彼女が胸元をより強調する)

「気づいてるんだよ?…少年。バレてないとでも思った?」


(ガシッ!)

(ネクタイを掴む音)


(クイッ!)

(彼女が俺を自分の口元まで引き寄せる)


(耳元に向かって)

「エッチ…」


(少し赤面しながら)

「そんなにガン見しちゃって…」


「そんなに見たいの?…少年ならいくらでも見せてあげるのに…」


(色っぽい声で)

「この谷の…先まで…」


(ギクッ)

(俺の体が逸れる)


「んふふ…やっぱりウブで…かわいいね」


(電車が停車する音)


「あっ…もう少年の降りる駅ね…」


「またね…少年」


(電車の扉が閉まる音)



(彼女が席にもたれる)

「はぁぁ……んふふ」


「本当にありがとうね…少年。君とのここでのやり取りが私の楽しみよ」


「んふ…明日はどんなイタズラしようかな?」

お読みいただき、誠にありがとうございます。

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