第1話 4月
(電車が走っている音)
(車端部にあるロングシートの席の前に吊り革を持って立つ)
(隣のお姉さんに話しかけられる)
「少年…いつも隣にいるね。……私のこと…好きなの?」
「え?」
「この車両のこの位置が、駅から学校に行くために1番効率の良い場所だって?」
(彼女がニヤついた顔で)
「ふん…なんだ…私と同じワケか。…まぁ…違うのはそのやる気かな」
「はぁ…なんでって?」
(彼女が全身を見せつける)
「見て分からない?」
(彼女が自分の姿をこちらに向ける)
(自分の髪に触れる)
「お姉さん…髪乱れているでしょ?服も…」
(彼女が俯き顔で)
「お姉さんの働いてるところ…ブラック気味の会社でね…あまり眠れていなくって…」
「できるだけ寝る時間を確保したくて…駅から最短で行けるこの車両がお気に入りなの」
(耳元に向かって)
「最近だと…電車で立ちながら寝れるよ…んふふ」
(小さい子を見守るような顔で)
「だから…少年のそのやる気が羨ましい…」
(電車が大きく揺れる音)
(ポヨン…)
「キャッ!」
(彼女が上目遣いで)
「……エッチ」
「ちょっと少年…胸当たってるんだけど…」
「えっ?満員電車の中だから、身動き取れないって?」
「それに…なんか困ってる感じ出してるけど…本当は嬉しいんじゃない?」
(囁き声で)
「私の…この大きな…ムネが当たって…」
(ぎゅむ…)
(彼女が赤面しながら)
「ねぇ…私の大きさ…どのくらいだと思う?」
(ニヤついた顔で)
「たぶん…少年が見たことある人の中では1番大きいんじゃないかな?」
(ぎゅむ…)
(イタズラ顔で)
「ほらほら…どれくらいだと思う?」
(ゴトンッ!)
(電車の揺れる音)
「ん……ちょっと…揺れないで。こっちも揺らされちゃう…」
(息遣い荒く)
「んふ…少年顔赤くなってる。…なんかちょっと……エロいね…」
(電車が停車する音)
(電車の扉が開く音)
「ん…ふはぁ…。やっと…解放されたね」
(ガタンッ!)
「少年…大丈夫?」
(しゃがみ込んだ俺に、手を差し伸べる彼女)
「いつもこの駅で降りてるよね?……歩ける?」
「あっ!」
「もしかして…私との密着で…」
(ボフッ!)
(彼女が空いた席に座る)
「まぁ…いいや」
「んふふ…今日は楽しかったよ…少年」
(イタズラ顔で)
「大きさについてはまた今度教えてあげるよ」
「またね…」
(電車の扉が閉まる音)
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