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異世界でちっちゃな双子の勇者の保護者になりました  作者: ななくさ ゆう
第6章 5人目の仲間と次レベルへ

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4.5人目の仲間

「うそ、だろう……」


 戦慄(わなな)くライト。

 その眼前には、自分の冒険者カードを高々と掲げて見せるソフィネ。

 ソフィネがエンパレのギルドにやってきてから今日で19日目。

 彼女のカードには間違いなくこう書かれていた。


 ===========

 氏名:ソフィネ

 職業:冒険者(レンジャー レベル1)

 HP:45/45 MP:0/0 力:39 素早さ:62

 装備:旅人の服/木製の弓

 魔法:なし

 スキル:アイテム鑑定 初級/罠発見 初級/罠解除 初級/解錠 中級/必中 Lv1

 ===========


「ふっふ~ん。さあ、ライト、約束は覚えているわね?」

「ううううううぅぅぅぅぅぅ」

「ほら、ほら、言うことがあるでしょう?」

「う、うわぁぁぁぁぁん」


 あ、逃亡した。

 まあ、気持ちは分かる。


「っていうか、どうやって19日で――いや、15日で依頼を20回もこなしたんだ?」


 ライトはとりあえず放っておいて(どうせ宿屋の方に逃げていったので)、俺はソフィネに尋ねた。


「別に。毎日薬草を20本見つけただけよ」


 なるほど。

 薬草採取の依頼は10本で1回分。

 フロルは半日で10本以上見つけていたのだから、朝から晩まで薬草を探し続ければできるかもしれない。

 当然、それなら1日に依頼を2回分こなすことも可能だ。


「まあ、さすがに最後の方は採り尽して薬草が見つかりにくくなったから、ギルドの掃除とかで稼いだけど」


 ライトのミス。

 それは依頼は1日1回までと勝手に思い込んでいたことである。

 レベル0の依頼なら、確かに半日でこなせる。ほかならぬ俺達がそうしていたものな。俺達は半日修行に当てていたが、彼女は午前午後どちらも依頼に当てたというだけのことだ。


 ちなみに、試験費用は実家のお父さんが用意してくれていたらしい。狡いとはいうまい。幼女神様に用意してもらうよりは、親に用意してもらう方が真っ当なやり方だ。


「でも、よく試験受かったよな?」


 それに関してはミレヌが解説してくれた。


 他の冒険者達がなかなか合格できないのは、戦士として登録するからだ。戦士とはまさに最前線でモンスターと戦う職業。よって、生半可な実力では合格できない。

 だからこそ、120日のライトはすごいといわれ、30日のアレルは記録的なのだ。


 だが、魔法使いやレンジャーは特殊技能。魔法やスキルを身につけていればそこまで厳しい試験ではないのだ。

 実際、魔法使いのテストなんて、文字と計算だったもんな。いや、この世界では識字率が低いのである意味大変なテストではあるのだが、大人で魔法の才能があるならばそこまで難しい試験ではない。そもそも、魔法の才能がある人間が珍しいだけで。

 まあ、さすがに5歳児だと計算問題で普通は躓くので、そういう意味ではフロルもすごいが。


 ちなみに、レンジャーのテストは、基本的な鍵開けか罠解除。彼女は最初からそのスキルは持っていた。

 しかも、弓矢が使える=レンジャーなのに戦闘もできるという点が高く評価された。

 これで合格しないほうがおかしいのだそうだ。


「で、どうかしら。私はあなたたちのパーティに入れてもらえる?」


 ソフィネが俺達に尋ねる。

 先日のライトとのやりとりはともかくとして、パーティ登録をするならば俺達の同意も必要だと考える程度には、彼女も常識を持っている。


「個人的にはレンジャーは歓迎だよ」

「ミリス先生も、レンジャーがいたほうがいーっていってた」

「それにあなたが一緒だと、ライトが面白いし」


 俺もアレルもフロルも、彼女が仲間になるのは歓迎だった。

 いや、フロルの歓迎理由はちょっとあれだが。


 実際、ありがたい話なのだ。

 レンジャーがいないとレベル2への試験も、そして、レベル2としてダンジョン探索するのもかなり不利になる。


 だが、この町にはパーティ登録をしていないレンジャーは他にいない。

 いや、厳密にはゴボダラのヤツが実はレンジャーだったりしたのだが、さすがに、ねぇ?


 ライトの幼なじみっていうなら、ある意味身元は確かだし、少々空気を読めない点はあるようだが、悪い子ではないと思う。たぶん。


 ライトもそれは分かっているのだろう。

 分かった上で、彼女に対して苦手意識があるだけだ。


「ま、ライトとよく話し合ってくれ」

「ええ。もちろん。さすがに私もちょっとからかいすぎたかなぁと思っているし」


 あ、自覚はあったんだ。


 その後、ソフィネとライトがどういう話し合いをしたのかは知らない。

 いずれにせよ。


 翌日、俺達4人のパーティーは、5人目のメンバーを迎え入れることになったのだった。


 ---------------


 さて。

 あらためて5人パーティーになった俺達。

 もちろん、目指すは全員レベル2なのだが。


 レベル2になるためには、レベル1の依頼を30回こなさなければならない。

 鉱山のバイトは実入りはいいが10日働いて1回分の実績。これではそれこそ300日以上かかってしまう。


 それに、たとえ30回依頼をこなしたとしても、モンスター退治の実績が最低1回は必要。もちろん、ツノウサギ1匹ていどではなくて、そこそこ強いモンスターである。


 もっとも俺とアレルとライトとフロルは、すでにおもいっきり魔の森でモンスター退治の実績を積んでいる。

 問題はソフィネである。

 彼女はモンスター退治をしたことがない。


 実はレンジャーはこの点でレベル2になるのが難しい職業とされている。そもそも戦闘スキルではない部分が大切にされる職業なのだ。それでも、最低限戦えることを示さなければダンジョン探索はさせてもらえない。


 幸いなことに、彼女は弓を使った戦闘ができる。

 モンスター退治もなんとかこなせるとは思うのだが、未だに魔の森はレベル1以下のパーティー立ち入り禁止状態。


 さて、どうしようかとなったところ、ミレヌから俺達に声をかけられた。


「実はショートさん達向きのモンスター討伐依頼が来ているんですけど、受けます?」


 依頼内容を聞いて、俺達は即座に引き受けるのだった。

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