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異世界でちっちゃな双子の勇者の保護者になりました  作者: ななくさ ゆう
第5章 魔の森の戦い

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1.シルシル拗ねる

 俺と双子がレベルアップした次の日。


「あー、シルシルじゃ」


 うわっ、テンション低!?

 いつもの謎のバックミュージックもなく、暗い表情でシルシルは教会の礼拝室に現れた。


「何かあったのか?」

「ふん、ずーっと、ワシのことを呼びださんからな。どーせ、ワシなんかよりあの双子の方がかわいいんじゃろ」


 プンプンと拗ねるシルシル。

 確かに最初に剣術をならった日以来、シルシルを呼び出しはしなかったけどさぁ。


「用もないのに呼び出すのも悪いと思っただけだ。いや、双子の方がかわいいのは事実だけどっ!」

「で、何の用じゃ?」


 うわ、拗ねたままだよ。

 とことんめんどくせー神様だな、おい。


「俺達のレベルが上がったからその報告と、今後のことだ」

「うん? あー、確かにレベル1になったようじゃな。よかったの」


 うん、全然感情がこもってないね。

 そんなに呼び出されなかったのが不満なのか?

 ひょっとして、神様って暇なのかね。


「呼び出さなかったことは謝るから。今度からできるだけ1週間に1回くらいは呼ぶから」

「本当か?」

「ああ、できるだけな」

「うむ、ならば今回に限っては許してやるのじゃっ!!」


 うわ、テンション一気に上げやがった。


「で、これからのことなんだけど……」

「まずは、レベル2を目指すことじゃな。なんにしろ、ダンジョンには入れないので話にならん」


 うむ、やっぱりそうなるのか。

 なんつーか、高校入試に受かった翌日に、大学入試をがんばれとお説教されたような気分だ。いや、俺の学歴は高卒だが。


「大丈夫、今のお主達のステータスを見る限り、能力は十分レベル2どころか、レベル5くらいはある。あとは実績を積むことじゃな」


 ふむ。


「どんな依頼をこなせばいいのかね?」

「それは自由に選ぶがよい。別段ワシから指定する必要もあるまい」

「わかった。つまりは、これまで通り依頼をこなしながら修行ってことだな」

「ふむ、それでよいぞ」


 よし。じゃあ、また気合いを入れよう。


 ……


 …………


 ………………

 

 あれ?


「あの、もう、用事は無いんだが?」


 とっとと時間を動かしてほしい。


「……そうか、そうじゃろうな、うん、どうせワシなんて……」


 あ、また拗ねだしたよ、この幼女神様。


「じゃあ、時間を動かすぞ、あとはテキトーにがんばれ」


 なんか、投げやりになってるよ!?


 ---------------


 拗ねてしまった幼女神様はともかくとして。

 俺と双子は教会を出て冒険者ギルドに向かった。


 受付場には何人かの冒険者がすでにいる。

 その中にはミリスもいた。


「ごちゅじんちゃま、今日もミリスにけんじゅちゅならうの」


 アレルはそう言う。

 だが。


「アレル、君はもうレベル1になった。私の訓練は卒業だ」


 ミリスの言葉に、アレルはちょっとショックを受けたらしい。


「大体、君はもう私よりも強いだろう。

 ……少なくとも、木刀での模擬戦なら」


 そうなの!?

 驚く俺に、ミリスは言う。


「そもそも、私は『風の太刀』や『光の太刀』なんぞ使えん。しょせん、普通のレベル3の剣士にすぎんからな」


 いや、そんな風に言われるとどうにも反応に困るんだが。


「アレル、君の剣術はもう基礎レベルは超えた。これから必要なのは実戦だ」


 ミリスの言葉に、アレルは目を見開く。そして。


「わかりまちた。ミリス先生、これまでどうもありがとうごぢゃいました」


 礼儀正しくそう頭を下げたのだった。


「ふむ、これからが本番だ。がんばれよアレル。

 それで、ショート、君達はこれからどうするんだ?」

「もちろん、レベル2を目指しますよ。そのためには……」


 俺は依頼が貼られた壁を見る。

 レベル2になるためには、レベル1の依頼をこなした実績が必要だ。

 もちろん、レベル1になったからといって、レベル0用の依頼が受けられないわけではない。

 だが、それはレベル1としての実績にはほとんどならない。薬草採取しかしたことがない冒険者にダンジョン探索はさせられないのだ。


 レベル1の依頼。

 うーん。


 護衛依頼は……双子と一緒だからなぁ。昨日ダルネスが言っていたように、幼児が護衛というのは歓迎されないだろう。例え俺が一緒だとしても、3人分の依頼料を払ってもらえるかは心許ない。


 それ以外だと、西の山の鉱石採取か、魔の森のモンスター退治。こちらはギルドからの依頼が多い。

 実戦を積むならばモンスター退治だが……


「ショート、あるいは君達は他の町に行く手もあるかもしれん」


 ミリスの言葉に、俺達は「え?」っとなる。


「この町のギルドにはこれまで魔法使いはブライアンとミレヌくらいしかいなかった。ゆえに魔法使い用の依頼はほとんど来ない。アレルはともかく、君やフロルに向いた依頼はなかなか見つからないだろう」


 そうか。確かにそうなのかもしれない。

 だけどなぁ……


 俺がどうしようかさらに考えていたその時だった。


 ギルドの入り口が乱暴に開かれた。


「たのむ、助けてくれっ!」


 叫び、入ってきたのはライトだった。

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