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異世界でちっちゃな双子の勇者の保護者になりました  作者: ななくさ ゆう
第4章 魔法修行とレベルアップ

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6.レベルアップを目指せ!

 俺と双子が冒険者登録をしてから1週間が過ぎた。

 いや、この世界には7日間を一単位とする習慣はないのだが。

 ここ最近は午前中、俺とフロルは魔法習得、アレルは剣術修行をして、午後は主に薬草採取の依頼をこなしている。さらに宿に戻った後は、双子に文字と算術を教える。


 アレルは順調に能力を上げている。というか、順調すぎてミリスの顔が何度も引きつっている。

 俺とフロルもすでに魔法を5つずつ覚えた。


 勉強に関してはフロルはすごい。たった7日で2桁の足し算をできるようになってしまった。文字も概ね読めるようになったらしい。

 一方で、アレルは……うん、できるできないのまえに、やる気がない。彼の興味は今のところ『けんじゅちゅ』だけらしい。


 エンパレ冒険者ギルド内ではすでに俺達3人は有名人になりつつある。

 何しろ、5歳児の冒険者という時点で前代未聞に近いのに、成長っぷりが尋常ではないのだから。

 俺やフロルの魔法はともかく、アレルの実力はかなり噂になっているようだ。


 そして、1週間経ったこの日。


「今日は一日休日にする」


 俺はそう双子に言った。


「きゅーじつ?」

「そう。修行も依頼もお休み」


 宿の部屋で首をひねるアレルに、俺は頷いた。


「ですが、ご主人様、いいんでしょうか?」

「休みは必要だよ。2人とも……というか、俺も含めてだけど……疲れが溜まっているだろう?」


 ステータス上のHPは毎日回復しているようだが、心労も含めて慣れない生活の疲れは溜まっている。


「これからは7日に1回お休みを入れるから」

「なぜ7日なのですか?」

「なんとなくだ」


 そうして、その日は街中を見て回った。

 実は俺には1つ目的もあったのだ。


 この町には図書館がある。

 この世界の歴史とか地理とか政治とかについて、俺は完全に無知なのだ。

 ある程度の一般教養は身につけねばならないだろう。


 双子を連れて行っても大丈夫かちょっと心配だったが、図書館には子ども向けの絵本もあり、フロルがアレルに絵本を読んであげていた。

 何とその絵本、300年前の勇者の活躍を元にしているらしい。ミリスは伝説だと言っていたし、事実、半ばフィクションとして書かれた絵本のようだが。


「ゆうちゃちゃまってちゅごいねー」


 その日の帰り道、アレルは目をキラキラさせて、何度も俺やフロルに『ゆうちゃちゃま』の凄さを語った。


 双子にはまだ、彼ら自身が未来の勇者だとは教えていない。なんとなくだが、それはまだ早すぎる気がする。今は一冒険者として力を磨くとき。そう俺は考えていた。


 図書館で調べたおかげで、この世界の地理や歴史、政治などの基礎はだいたいわかった。いや、あくまでも表面上だけだが。

 その内容については今はひかえて、後述することにしよう。

 ひと言で俺の印象言えば『まさにファンタジーラノベの世界観だな』だったのだが。


 ---------------


 俺達が冒険者登録をして20日後。

 ライトとその仲間達が4人でレベル1への試験を受けた。

 時間がかかったのは試験料を集めるのが大変だったかららしい。

 試験料は1人金貨1枚。もちろんギルドの運営費にあてられるわけだが、同時に『金貨1枚を自力で用意できる』という実績を示す意味もあるとか。


 結果はライトだけが合格。

 他の3人の不合格理由は、単純に実力不足と見なされたかららしい。


 俺達も試験を受けることを考えれば、気合いを入れねばと思い直したのだった。


 ---------------


 そして、冒険者登録をして23日目。


「はい、これでシュートさん達は20回依頼をこなされました。試験、申し込まれますか?」


 ミレヌの問いに、俺達3人は強く頷いたのだった。


 ---------------


 テスト前日の俺達3人のステータスを示しておく。


 ===========

 氏名:ショート・アカドリ

 職業:冒険者(レベル0)

 HP:32/32 MP:59/70 力:22 素早さ:10

 装備:旅人の服

 魔法:無限収納/地域察知/体力回復/怪我回復/解毒/火炎球/火炎連弾/水球/氷球/水球弾

 スキル:自動翻訳

 ===========

 氏名:アレル

 職業:冒険者(レベル0)/ショート・アカドリの奴隷

 HP:95/95 MP:20/20 力:93 素早さ:122

 装備:旅人の服(子ども用)/木刀

 魔法:なし

 スキル:見切り Lv6/俊足 Lv5/風の太刀 Lv4/光の太刀 Lv1/気合い Lv2/威圧 Lv1/連撃 Lv5

 ===========

 氏名:フロル

 職業:冒険者(レベル0)/ショート・アカドリの奴隷

 HP:24/24 MP:140/140 力:12 素早さ:10

 装備:旅人の服(子ども用)

 魔法:体力回復/解毒/水球/水球弾/水球壁/氷球/氷球弾/泥沼

 スキル:なし

 ===========


 俺やフロルの力やHPが僅かながらにも上がっているのは、途中から剣術修行にも参加しているからだ。やはり全部の魔法を覚えるのは金銭的にキツイ。

 また、フロルが炎系の魔法を覚えていないのは、ブライアンが頑として『5歳児には教えられない』と言い張ったからだ。確かに幼児の火遊びは危険だ。


 ちなみに、フロルに『怪我回復』を覚えさせることも検討したのだが、教会に聞いたら大判金貨1枚とか言われた。いくら有用な魔法とはいえ、さすがに手が出ない。

 ギルドで覚えられる魔法についても、全部習うのは金銭的にキツかった。


 ミリスとも相談して、アレルには木刀を買ってあげた。

 アレル自身は本物の剣がいいと言っていたが、今の段階で彼に刃物を常時持たせるのはね……ステータスとは別の部分で心配だ。

 それに、剣ってめちゃくちゃ高い。安物の短剣でも金貨1枚とかザラにするのだ。木刀だって銀貨3枚した。


 アレルのスキルは……もうなんなんだろうな。

『連撃』は連続攻撃のこと。これはまあ、わかる。

『威圧』は相手をすくませるスキル。さすがに5歳児の『威圧』で身がすくみはしないだろうと思ったのだが、実際に俺にかけさせてみると数秒間、どうやっても体が動かなくなったのだから、もう意味が分からない。

『光の太刀』は、風ではなく閃光みたいなのを飛ばしていた。


 ここまでくると、もう剣術ではなく魔法じゃね? と思ったりもするが、あくまでもスキルなのでMPは消費しないらしい。もちろん、思念モニタを使う必要もない。正直、ちょっと狡いと思うよ……


 そして、俺達が試験を受ける日がやってきた。

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