閑話 葵の想い 〜前編〜
無事、書き終えました!
個人的に葵視点書くのめっちゃ好きです。久々にかけて楽しかった…!
学校での何気ない日常。
いつも通り、何事もなく平穏に1日が終わると思い込んでいた。
学校帰り。
スマホを見ると通知件数が軽く3桁だった。
すべてSNSである。
(何事…?)
開いてみると、過去の配信について批判するコメントが数え切れないくらいついていた。
(…………もしかして、これって…炎上…って、やつ?)
『【悲報】清楚系V神薙葵、彼氏持ちか』
「……。」
(え!?なにこれ!?……私本人が知らないことってあるんだ!?)
兎にも角にも、謝罪配信的なことをすべきなのだろう。まあ、謝罪するポイントがイマイチわからないけれど。
結局、謝罪することが思いつかなかったので、釈明配信という形にすることにした。
すると、懸念点が1つある。
翔の夕飯を作りに行けないのだ。そこで、メッセージを入れておくことにした。申し訳ないなと思いながら。
『すみません、用事が入ってしまったため、今日の夕飯はつくりに行けなさそうです』
その後、PCの前に座り、開始時間まで待機する。
鼓動の音がすごい。息が浅いのが自分でもわかる。
早い話、緊張している。
なぜなら、炎上しているため、幸か不幸か待機人数が200人を超えているのだ。
(こんな大人数の前に出たくないんだけど!)
「……こ…こんば、ん…わ、神薙、葵……で、す」
緊張しすぎているのか、声がうまく出ない。
『俺らはちゃんとわかってるから枠切っていいよ』
こんなコメントを見つけて、泣きたくなった。
自分をわかってくれる人はいるんだと再確認できた。
うまく喋れないため、その日の配信は終了ボタンを押したのだった。
その後しばらくして、スマホが震えていた。
画面を見てみると、翔からの着信だ。
「もしもし、どうかしましたか?」
『さっきの配信で声がめっちゃ震えてたから大丈夫かなって』
「まさか見てたんですか!?」
『そりゃ心配だからな。まあ……その、…大丈夫か?』
まさか、翔が見ていただなんて思わなかった。
彼なりに心配してくれたのが言葉の端々から伝わってきて、いろいろと辛い。
しかし、正直に言って心配書けるのは嫌だから、ささやかな嘘をつくことにした。
「……はい。全然気にしてませんので」
『俺の前では我慢しなくていいし、嘘なんてつくな』
「嘘なんて……ついてませんよ?」
『今の微妙な間的に、絶対嘘ついてるよな?』
……うっ。バレてしまった。ごまかしてみよ。話すのも申し訳ないからね。
「………何のことをおっしゃっているかわかりません」
『本当は?』
もう、どうでも良くなってきた。彼の優しさに甘えてもよいだろうか。
言ってはいけないと自制しようとしたが、既に遅かった。気付いたときには口から出ていた。
「もう、心無いコメントばっかで辛いです。最近は、ちょっと声が出にくい時があって……。……こんな時間に申し訳ないのですが……今から、そちらに…行っても…いい…で、すか?」
我ながら、夜遅くに何を言っているんだと思う。
あまりに寂しがりすぎだろ、と。しかし、断られたらどうしよう、と思う。
『わかった、こっちにおいで』
その瞬間、胸の奥がじんわり熱くなった。
拒まれなかったことが嬉しくて、声に出したら泣いてしまいそうだった。
切ったスマホを胸に抱きしめたまま、しばらく動けなかった。
(……会いたい。早く、翔くんに会いたい)
鏡の前に立つと、泣き腫らした目が映る。
こんな顔で行くのは恥ずかしい。それでも、会いに行きたい気持ちが勝った。
少しでも綺麗に見えるように、前髪を整え、軽くリップを塗る。
弱っているところを見せるのは怖い。けれど、それよりも――
頼りたかった。彼に会いたかった。
震える指先で玄関のノブを握りしめ、深呼吸を一つ。
(翔くん……ごめんね。でも、今日だけは、今だけは甘えさせて……!)
そうして、家の玄関へ向かった。
お読みいただきありがとうございました!
1,200字超えたので続きは後編に上がります。
毎度恒例、いまから書きます。(14日0:20時点)
いつ書き終わるかな〜w




