第54話 距離感の変化
1周年記念ということでこのあと本編は4話投稿します。
1話目です。
第55話の投稿は本日4:30を予定しております。お楽しみに!
翌日、普通に投稿しようとすると、玄関前で葵に遭遇した。
「せっかくですし、一緒に行きませんか?」
「それ、噂されないか?」
「ちょっとくらい大丈夫でしょう」
その言葉に『ちょっとだけ』心が跳ねた。そんな『ちょっと近い』距離感がなんだか嬉しい。
2人で並んで歩く。
話すことは、特にない。
そんな沈黙が俺は心地よかった。
視線が合う。逸らす。また合う。
その繰り返しすら、心のどこかをくすぐっていた。
学校へ着くと、時哉に声をかけられた。
「お前ってさ、田中さんと話すときとか、田中さんの話題のとき、わかりやすく声のトーンが柔らかくなるよな」
「えっそうか?」
言い返そうとしたのだが、言葉がうまく出なかった。この場をはぐらかすのが今できる精一杯だった。図星を刺されたときってここまで言葉に詰まるのか…。
「ああ。もうすぐチャイムなるし、そろそろ席戻るわ」
「おう」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
葵が学校へ着くと、親友である昭子に声をかけられた。
「葵、あんた、あの隣の人の話になると声のトーンが変わってんの気づいてる?」
「えっ⁉そんなことないよ~」
「いや、そんなことあるから」
若干、呆れられている気がする。
ごくごく普通の会話なのにやけに鼓動が早く感じた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
両者ともに、恋心を朝から指摘されてしまい、どうしようもないほど顔が赤くなっていた。
おそらく、お互いに気付いている。
しかし、何も言わない。何も言えない。
言ってしまえば、戻れないから。
お読みいただきありがとうございました。
この回はかなり心情描写頑張ったと思います。
お互いに友人に恋心を指摘され、このあとどうなるのかー!
お楽しみに!




