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Gランク能力

壕の拳の衝撃によって、砂煙が立ち上がった。それが晴れるとフォレスト・アバターの姿が見えてくる。そこには多少のかすり傷くらいしか見えない姿で立っているフォレスト・アバターがいた。

「ちっ感触が木を殴った感じだった」

恐らく大量の丸太を壕の拳の前に置くことで、衝撃を和らいだのだろう。とはいえ、光速だ。光の速度なのだ。その速度で飛来する拳を丸太数本で止められるはずが無いのだ。

「ヤツは植物とか樹とかに関しては好き放題できるのかもしれない」

丸太の強度を上げたり、成長速度を変更するくらいは容易なのかもしれない。フォレスト・アバターが手を地面に向けた次の瞬間大きな地割れが起きる。5メートルほどの溝が生成された。

「水鉾!」

フォレスト・アバターの周りに複数の鉾が生成された。すべてを蔓で相殺し、枝を生やして反撃をしてくる。

「ファイヤーアロー!」

次々と無限に湧き出てくるエルダートレントとトレントを炎の矢で次々と葬る。

「.........発動」

エルダートレントやトレント、フォレスト・アバターの周りに闇を生成し、方向感覚を鈍らせる。

「オラァ!」

光速の拳が、エルダートレントやフォレスト・アバター、飛来する丸太などに衝突して衝撃波を走らせる。

フォレスト・アバターは、突然攻撃を止めた。そう思った次の瞬間、フォレスト・アバターは両手を上に向ける。付近の森は暴れ出し、暴風が起こる。近くの植物は急激に成長し、それに耐えられなくなったものから次々に爆散していく。その猛攻に耐えた末に見えたもの。一回り大きくなり、衣装は神々しさと禍々しさを兼ね揃えた蔓と花で装飾されたものに変わっていた。そして最も変わった点

『あら、あなたたちが私に抗うもの?いいわ、相手してあげる』

そう、言語を扱うようになったのだ。それは第二段階になったと言えるだろう。そしてフォレスト・アバターはいつの間にか右手に持っていた大斧...(まさかり)を振るい、こちらに突進してくる。速度は音速ほどだった。攻撃方法も、言うなれば第一形態とは全く違い、近接の間にその他の攻撃を混ぜてくる形だった。

『あなたたちにヒントを上げる』

そう言いながら、フォレスト・アバターは鉞を持っているとは思えない速度でそれを振るい、華麗な動きで攻撃を躱しながらこちらに攻撃を加えてくる。

『私は能力を持っているの。それは』

俺の足元から蔓が生えてきて、俺は動きを封じられた。鉞が振るわれようとしていたときに愛海の水刃とコノハのファイヤーアローが飛んできた。水刃に一瞬気を取られたのフォレスト・アバターの動きが止まった隙にファイヤーアローが蔓に当たって燃え尽きた。

『自然を操る。Gランク能力よ』

「なっ!?」

Gランク能力。最強の能力の一角。

『うふふ、こんなこともできちゃうの』

辺り一帯に強風が吹き荒れる。と、思えば雷がそこらに落ち、地震が起きる。

「....ヤバすぎだろ」

颯太の闇をいともたやすく消し去りながらこちらに歩み寄る。

「ハァ!」

壕の拳も鉞に防がれ、愛海とコノハの攻撃も蔓や枝によって相殺された。

「...発動!」

上限の2回目の能力を発動しようとしたとき。

「........能力発動!最大出力」

颯太が能力を発動する。フォレスト・アバターの立っている場所には超重力空間、つまりはブラックホールが形成された。

『んな!その段階まで行っているとは...』

フォレスト・アバターは2メートルほどのブラックホールから逃れようと横に跳んだが、回避しきれなかったようで、左腕がひしゃげていた。

「........ちっ、その程度の損傷しか与えられないのか...」

『私がここまでダメージを与えられたのはこれが初めてだ。少し本気を出すとしよう』

さっきよりも数倍の地震が起こり、地面は割れる。そこからはマグマが吹き出し、あたりは荒れ果てた大地となる。そこに無数の雷が落ち、次の瞬間には森が再生し、燃え始めるというまさに地獄ともいえる光景が広がっていた。これが最強ランク、Gランク能力の力。破壊力が凄まじすぎる。Sとの差がとてつもなく広いのだ。

『少しは分かったか?実力差というものを』

「......水の惑星!」

愛海が水を操る能力の奥義を発動する。マグマに触れた瞬間、大量の水蒸気が発生し、所謂マグマ水蒸気爆発が起こった。周囲に落下していた岩石や、丸太、土などを巻き込んで飛来する。

「水蒸気だって水だから!」

能力は解釈と想像だ。自身の能力がどのようなものなのか解釈を変えるだけでできることが大幅に変わったりする。あとは、それが実現できると強く想像することだ。すべての水蒸気と、それに巻き込まれた物体がフォレスト・アバターの方に飛んでいく。

『目障りな...!』

フォレスト・アバターに多くの傷がつく。

それが目隠しになり、背後から近づいた颯太がフォレスト・アバターの心臓部分に剣を突き刺した。

『......勝ったと思ったか?その程度は私にとってはかすり傷でしかない!』

フォレスト・アバターは鉞を背後に振る。完全に回避しきれなかった颯太の肩を掠る。

「...っ」

周囲が氷に包まれ、気温が0℃近くなる。

「ファイヤーランス!」

氷は少し程度とかしても何も変わらず、すぐさまもとに戻った。周囲の氷は渦巻いて弾丸のような速度でこちらに大量に飛んでくる。半透明であり、大きさも数センチしか無いため、視認が遅れて身体に傷をつけていく。

「...発動!」

小さな数ミリのブラックホールを周囲に生成して、氷弾を防ぐ。氷の空間に苦戦していると、次の瞬間には周囲は荒れ果てた大地、砂漠に様変わりしていた。

「まずっ」

空間が丸々変化していたとしたら、急激な温度の変化のせいで地盤が不安定になる。不運なことにそれは的中した。地面は隆起や沈降が起こり、地割れや地盤沈下が引き起こされる。

「ファームグラウンド!」

コノハの魔法によって地盤が安定化される。急激な温度差のせいで、肺にダメージが入っているので、長引かせるとまずそうだ。

「痛っ」

空から何かが降ってきた。これは...(ひょう)か?そこそこの大きさの氷の塊が吹き荒れる。先程の周囲から飛んでくる氷弾よりも量も多く、速度も早く、避けようも無く、体中を掠めていく。その雹はフォレスト・アバターの周囲だけは吹き荒れてないので、近接戦に持ち込む。フォレスト・アバターの鉞の技術は高レベルで、剣を闇雲に振っても軽くいなされる。左手が颯太のブラックホールによってまともに使えないというのに、ここまで手も足も出ないものか。能力は渾身の一撃を入れるときのために残しておきたい。確実にフォレスト・アバターを倒すためには必要不可欠だ。フォレスト・アバターに最大の隙を作るには、まずはその鉞を消さないといけない。おそらくそれで防がれてしまうだろう。鉞を使えなくするには、右手を使い物にできなくするか、それ自体を破壊するしか無い。ただ、フォレスト・アバターの持っている鉞は光速の拳にも耐えることができる化け物じみた耐久力を持っているため、現実的ではないだろう。なら、前者のフォレスト・アバターの腕を切断、もしくは粉砕するしか無いだろう。愛海と目を合わせると、愛海は頷いた。きっと意思が伝わったのだろう。

「水影!」

愛海が分身を生成する。ちなみに、「水」とついているが見た目はまんま愛海である。見分けられるものではない。その分身はすべてフォレスト・アバターに襲いかかる。分身の数は6体。2体は近づく前に蔓や枝によって消失させられる。2体は振られた鉞によって消失させらた。フォレスト・アバターに触れることのできた2体がフォレスト・アバターについていたかすり傷から体内に侵入した。

「発動!」

フォレスト・アバターの体内に入ったのは愛海の能力で生み出された「水」であるため操作することができる。その水を左腕に流す。その間でも血管を逆流しながら無理やり水が進んでいるので激痛が走っていることだろう。そして、その水を何倍にも膨張させた。フォレスト・アバターは能力と身体能力が異次元なだけで、身体の構造はほぼ人間と同じだった。左腕が内側からの力に耐えられず、破裂した。

『クッ、マズい』

両手が使えなくなったフォレスト・アバターは能力でこちらに攻撃してくるが、今までのような当たったら即致命傷というレベルの攻撃ではなくなった。

「水壁!」

愛海の能力で水の壁が生成され、多少の攻撃を防げるようになた。

「.......能力発動!」

颯太が小さなブラックホールを生成して、フォレスト・アバターの動きを制限する。

アイスシャックルズ(氷の枷)!」

コノハの能力で、更にフォレスト・アバターの動きを静止させる。

「発動!」

俺も能力を発動させる。フォレスト・アバターのそれらから逃げ出そうとする力が弱まったように見える。

「行けぇぇぇぇぇエエ!!!能力発動!120%!」

壕の限界突破された能力によって振るわれる拳の速度は誰も視認できないレベルの速度だった。フォレスト・アバターにその拳は直撃する。衝撃波が部屋中に行き渡り、愛海の水壁がなかったら危なかったかもしれない。そんな威力の攻撃を真正面から受けたフォレスト・アバターの身体は跡形もなく消し飛んでいた。

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