お宝はいづこに?
「試験...開始だ」
その先生の声が聞こえた瞬間、俺達を除く生徒たちは一斉に走り出した。たまたまというべきか、必然というべきか。俺達のチームの5人だけ船内に残った。
「おお、たまたま残るなんて俺等気が合うかもな?」
腕力の強化の能力を持った俺等のチームメイト...壕が話した。
「...一旦、船から降りるべきじゃないかな...?」
能力はわからないが...魔術師であろう格好した女が次に話した。
「.............そうしよう」
双剣を持った男がつぶやく。そうして俺達は一旦船から降りた。
「宝を探す前に自己紹介しようよ。能力とか分かってるほうが動きやすいだろうし」
愛海が指揮をとる。ここは任せたほうが良いだろう。
「私は愛海。保久田愛海だよ。私の能力は水を操る能力。君は?」
魔法使いを愛海は指さした。
「えぇっと...私は...舞田コノハ...能力は...魔力を操る...魔法が、使える...」
壕を次に指さした。
「オレは刈打壕だ!能力は腕力を強化すること。よろしくな!」
双剣持ちを次に指さした。
「.......俺は旭川颯太だ。能力は...闇を具現化する。」
最後に、俺を指さした。
「俺は能力が言えない。呪いのせいでな。まぁ気にしないでくれ。名前は新名真だ。」
「それじゃ、宝探しに行こー!」
この島は、砂浜、森、泉が外側から中心に向かって広がっている。宝はそれぞれのエリアに1つずつあるんじゃないかと思っている。泉の探索は困難だ。中心の最も深いところにある可能性は高いだろう。むしろそれ以外だと捜索のしようがない。森エリアに関しては、正直探索のしようがないだろう。どこにあるか検討もつかない。砂浜エリアもほぼ同様だ。ただ、深くに隠されてはいないだろうから、歩いていたら足触りで分かるかもしれない。
「一旦泉に向かったほうが良いかもしれない。可能性の一つとして、泉の中心にあるかもしれない」
というわけで、泉に向かうことになった。
〜〜〜〜
「思ったよりも大きいなこの島」
島の中心部である泉まで数時間かかった。この大きさの島から探せとか結構鬼畜だと思うんだが。ちなみに言うのを忘れていたが、宝とは直径10センチくらいの金色の立方体だ。ポケットにも入らない大きさのため、手で持つしかなく、周りの人間から丸見えというわけだ。まあそもそも俺達が入手できるかどうかも不明なわけだが。
「おお!泉の水きれいだな!見てみろよこれ!」
泉の水は想像の数倍も透明だった。これなら水面から宝を探せそうだ。
「あるなら、中心。どうやっていこうか?」
「........一つだけ、方法があるよ?」
コノハがつぶやく。
「それは...」
というわけで、俺達は空を飛んでいた。なぜかって?コノハの能力だ。Sランク能力、【魔力を操る】。魔力というのは大概のことはなせてしまうらしい。とはいえ、5人も空に飛ばすのは相当の消耗らしいのだが。
そして湖底になにか光る物体が見えた。
「見つけた!」
愛海が嬉しそうに声を上げた。さあ最後の難関、ここからどうするか。ぱっと思いついた案は一つだけだった。
「愛海、行けるか?」
「多分、イケルと思う」
そう、愛海の能力で水をかき分けるのだ。そして、コノハの魔力を操る能力で能力を強化する。本当に万能らしい。
「発動!」
ゴゴゴ、と水から音が聞こえるような気もした。水が中心部だけかき分けられていき、その水は横に押しのけられるわけで。想像はできていたが、思ったよりもひどく荒れていた。そう、もう察しの通り、泉の氾濫が起こっていた。水はすべて森の方に流れていく。そこにあったはずの木々はすべて押し流されていく。
「ちっ、どうしたものか」
なぜ、ここまで荒れているのか。恐らくだが、愛海の水を操る能力は、泉の水だけを動かしているのではなく、自身の能力で出した水と混じった泉の水を操作しているのだろう。そのため、水の量が大幅に膨れ上がってしまっている。流石に砂浜の方まではいかないだろうが、森はそこそこのダメージを食らうだろうな。
「いける!」
愛海が押し開いた水の隙間にコノハが入っていく。そして...
「....とった!」
無事...周りの被害はとんでもないが回収することができたらしい。
「あとはこれを3日間守り抜けば良いんだよね!」
入手してからの耐久が一番大変だろうな...しかも派手にやってしまったせいで俺達が宝を持っているというのは多くのチームにバレただろう。襲われる可能性も高くなってしまう。ここからが力の見せ所ってやつなのかな...
〜〜〜〜
その日の夜。俺達は野営の準備をしていた。なんとたまたま近くにちょうどいい洞窟があったのだ。そこを少し整備して、今日の寝床にする予定だ。夜の見張りは、昼ほぼ活躍してなかった俺と颯太と壕がやることになった。一人3時間ずつ、計9時間睡眠を取るとのことだ。最初に俺、その次に颯太、次に壕という順番だ。まあ、どこかで一回くらいは襲撃に合うことくらいは想像できた。
「じゃあ任せたよ〜、おやすみ」
コノハと愛海が寝床の方に向かっていった。
「.........じゃあ」
「頑張れよ〜」
壕と颯太も去っていった。
「さあ、頑張りますかぁ」
既に後ろの方から数人の気配を感じた。いつかになるかは分からないが、襲撃してくることだろう。きっとすぐに襲撃してくることもないだろうし、少し泳がせてみることにしよう。...........1時間がたった。奴らは動く気配すら見えなかった。仕方ない...か。罠をかけてみることにしよう。目を瞑って、時々ガクンッと頭を落として、如何にも眠りかけている様を演出する。
「......」
掛かった。奴らは木の裏や草影から飛び出してくる。人数は...5人。丸々1チームだ。皆は寝ている。なら...
「発動」
その瞬間奴らは苦しみだした。それを横目で見ながら、腰から剣を抜く。足に力を込めて地を蹴り上げる。数分後には立っていたのは俺だけだった。.......そのまま放置しておくわけにもいかないので、砂浜の方まで引きずって、捨てておいた。まあ、最悪教師陣が回収してくれるだろう。もちろん殺してはないよ?まあ、なんやかんやあって2時間が立ち、交代の時間になった。
「颯太〜時間だぞ〜」
颯太を起こして、俺は眠りに落ちた。
〜〜〜〜
「.......眠い」
俺、颯太は目をこすりながら夜の見張りをしていた。
「はあ...敵か.....面倒くさい」
ゆっくりと、立ち上がる。そして、能力を発動する。俺の能力は「闇を操る」だ。周囲一帯を何も見えないレベルで真っ暗にする。この能力の強い点は、この闇は俺には関係ないということだ。つまり、敵からは真っ暗で何も見えない、ただし俺からは普通に敵の居場所が分かるわけだ。
「ターンエンド」
敵は逃げ去っていった。
〜〜〜〜
「腕がなるなあ!」
見張りは交代し、壕は10人ほどの敵と対立していた。まずは小手調べだ。
「能力発動・10%!」
剣なんて使わない。もちろん拳だ。
「オラァ!」
思い切り、ナイフを持っている腕に向かって殴りつける。ボキッと腕からなってはいけない音がなった。
「うわぁ!こいつやばいぞ!」
奴らは逃げ出すが、何もせずに返すわけには行かない。
「能力発動・50%!」
優に音速を超えた速度の拳を振るう。発生したソニックブームの力も計り知れないもので、逃げていく敵たちは弾き飛ばされていく。Sランク能力「腕力の強化」。能力のランクは、基本汎用性が第一に見られる。第二に火力や威力、効果の強さなどが見られるのだ。つまり、単純な強化系能力はランクがそこまで高くなることは少ないのだ。そう、「少ない」のだ。一部例外がいる。壕の能力は火力がバグっているのだ。100%を出すと光速を超えたりする。
閑話休題
殴ったあとは、そのへんの木々がすべてなぎ倒されていた。それと同時に爆音も出るわけで。
「....ん...何...?」
皆、目が覚めてしまったようだ。予定よりかは少し早かったが、二度寝するほどの時間帯でもないので俺達は起きて歩き出した。