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2話

2話



さて異世界に転移してから1週間が経過した。


俺は今、魏という国の遊楽と言う村に住んでいるシュウキの家に泊めてもらっている。


シュウキはシュウレイという妹と二人で暮らしているようだ。


日々の生活にも苦労しているようなので俺も助けになろうと畑を耕したりして手伝っている。


食事に関しては3人分の食料はないので近くの藪でウサギを狩っている。


俺のアイテムボックスには前の世界の食料もそれなりに入っているが、それは本当に危なくなった時ように置いてある。


そして今は余分にとったウサギをしまってある。


今日も畑を鍬で耕していたら、いかつい顔のおっさんがやってきた。


シュウキを探して家の裏にきたそいつは


「お前は誰だ。ここの娘はどうした。」と言ってつかみかかってきた。


別に倒すのは簡単だけどシュウキの知り合いっぽいからどうしたものかと考えていたら


「叔父さんやめてください。その人はお客さんなんです。」


とシュウキがちょうど洗濯から戻ってきた。


「シュウキ客とはどういうことだ。」


というおっさんにシュウキが俺をシュウレイが見つけて助けたこと、行く当てがないこと、家の手伝いをしてくれていることを説明してくれた。


「それはすまなかった。俺はシュウキのの母の妹の夫で名をシュウガイという。よろしく。」といって手を出してくる。


「リオンだ。シュウキに世話になっている。」と言って手を握る。


「叔父さん、今お茶を入れますから家にどうぞ。」と言って案内する。


リオンさんも休憩してくださいというのでついていく。


家の中に入るとたくさんのウサギが干してあるからシュウガイは驚いていた。


「このウサギはどうしたんだ。」


「リオンさんが毎日とってきてくれるの。」「お兄ちゃんは狩りが上手なの。」とシュウキとシュウレイが答える。


「そうなのか。じゃあ食べ物はまだ大丈夫そうだな。必要なものは何かあるか。」


「ありがとう。叔父さん今は大丈夫かな。また村長の家での催しがあったら教えて。」


「わかった。」そういって帰り際に俺を呼んでいるのでついて行くと


「シュウキ達が世話になっているようですまない。」


「いえ俺こそ泊めてもらっているので。」


「あの子たちは両親を亡くしてからはずっと苦労している。うちで引き取りたかったんだができなくてな。すまないがあの子たちを守ってやってほしい。」


「わかりました。ここにいる限りずっと守りましょう。」


そう言うと頭を下げて帰って行った。


その後畑を耕していた続きに戻った。


昼からは藪の中へ薪を切りに行く。


ふつうは斧で切るんだけど俺の場合オリハルコンの剣があるからそれで切っている。


『おい相棒、また俺で木を切るのか。ちゃんと後で丁寧に手入れしてくれよ。』


と文句を言ってくる。


「わかったから頼むよ。」そう言って木を切り倒す。


そうしていたら、鹿が見えたので咄嗟に剣を投げてしまった。


剣は鹿に綺麗に突き刺さり鹿は倒れた。


思わぬ収穫を得てしまったことを喜んでいると


『早く抜いてくれよ。獣の血は気持ち悪いんだからよ。』と文句を言ってくる。


仕方ないからさっさと剣を抜いて血を振り払う。


鹿を血抜きしてからアイテムボックスに入れて、切った木も回収していく。


帰って剣の手入れをしているとシュウレイがやってきた。


「お兄ちゃん、お姉ちゃんがお風呂を沸かしてだって。」


「わかった。」


「今日も私が背中を流してあげるね。」


「いつもありがとう。」


そう言って風呂場に薪をくべて火をつける。


以前の世界ほどではないけど魔法が使えるから火をつけるのは簡単なことだ。


俺が肉をとってくるようになってからシュウレイは毎日背中を流してくれる。


肉に対するお礼のようだ。


風呂を沸かしている間にシュウキが夕食を作ってくれている。


風呂を沸かし終えて家に入ると肉の焼けるいい匂いがしてきた。


「もうすぐできますから待っていてくださいね。」


そう言われて椅子に座って待つが腹が減って音が鳴ってしまった。


何だかんだでシュウキの作る飯はうまいからできるのが待ち遠しい。


夕食をみんなで食べて、お風呂に入って寝るという生活は魔王退治のために費やしてきた疲れを癒してくれるかのようだった。


村長宅の催しがあるまでは。

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