50幕目 あいつの過去
雨宮「…それにしても…なんでこんなに優しくしてくれるんだ…元は敵同士だったのに…」
惡喰「…俺の過去と照らし合わせたら…なぜかそうなっていたんだ…」
雨宮「へぇ…過去…まじでどす黒そうだけど…」
惡喰「バカ言うな、これでも…これでも…」
雨宮「はいはい…なんでこんな優しくしてくれるんだっけ?」
惡喰「…話す…話すから…その腕どけてくれ」
雨宮「はいはい…」
惡喰「俺はなぁ…普通の子じゃなかった、生まれつき、この腕なんだ」
雨宮「…この腕?」
へぇ…興味湧いてきたな…
惡喰「ああ、それで、俺を忌み子として虐げられてきた、もちろん、愛情なんか知らないまま、もちろんその時の俺は無感情だったな」
雨宮「…それで今があるってことか…」
惡喰「せかすな、まぁ、その俺でも、一回だけ、その閉じ込められている部屋を抜け出してみたんだ、そこには…あの星の子、キラリがいたんだ」
雨宮「…キラリって…ああ見えておばさん…?」
惡喰「まぁ、その解釈する方がいいな、その星の子と遊んでるうちに日が上がってきて、俺と星の子、捕まったんだ、そしてキラリは首を切られ…」
雨宮「ちょいまて、キラリが死んだって?今も生きてるんだぞ?」
惡喰「…そうか…ならよかった」
雨宮「…それにしても…あんたも切ないのね」
惡喰「ああ、それで…その後の記憶はわからないけど…キラリの首を胴体の近くに置いたのは覚えてる…それと…あたりは血まみれだったな」
雨宮「…それで…やさしさが…」
惡喰「ああ、そうだ」
雨宮「…つらかっただろ…抱いてやるからな…」
惡喰「窒息するから却下」
雨宮「なんでよー」




