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プロローグ
真っ暗な空間の中に、一人の男が立っていた。そしてこちらに頭を下げる。
「皆さま、はじめまして。私は、案内役の香月と申します。今から皆さまをご案内するのは、ある少年少女の物語です」
香月という男は、スタスタと真っ暗な中を歩き出した。すると、目の前に扉が現れた。
「おや?いくつか扉がありますね」
扉には花、水、木の絵がそれぞれ描かれている。
「あなたはどれの物語を見たいですか?」
言われた人物が花の扉を指さす。
「その扉ですね。では、ゆっくりお楽しみ下さい」
扉がギィーと音を立てて開き、その人物は中へと歩き出す。