二人は仲悪いのです
「ツンデレ犬っころも来るの?」
オズお兄さんがミィを抱っこしたまま悪態をつきます。
「ミィを一人で出かけさせられないだろ。付き添いだ付き添い」
「自分もまだ子どものくせして何言ってんだか」
「あんだと?」
「なんだよ」
ガルガルと睨み合う二人。
「も~、二人とも喧嘩するのは止めるのです」
ほんとに仲悪いですね。
「ミィ様、ここが新しい教会です」
「おお、きれいなのです」
ミィの感想にイルさんは誇らしげな顔をした。
新しい教会は想像よりもずっと立派なものでした。入り口のドアの上には猫をモチーフにした紋章が彫られています。
「ここはミィ様のものですからいつでも遊びにきてくださいね」
「はいです!」
そしてわたし達はドアをくぐった。
「イルさん、教会の中を探検してきてもいいですか?」
「もちろんです。では私はミィ様のために温かいココアを用意して待っておりますね」
「ありがとうございますなのです」
わたし達はそこで一旦イルさんと別れた。
「教会の中は僕が案内してあげるからね」
「案内されなくても自分達で探索するっての」
「ワンころはイルミナートさんと待ってなよ」
「似非勇者こそゆっくりしてろよ。もう年だろ」
「れっつらごーなのです!」
わたしは左右の手をそれぞれオズお兄さんとコウ君と繋いで歩き出しました。
「にゅふふ、両手に花なのです」
「それはちょっと違うんじゃないか……?」
「今日もミィがアホかわいい」
両隣で温度差があるのです。
「―――お、見て下さい! 猫ちゃんが水を吐き出してるのです!!」
ミィが指を指した先には、口から水を吐き出す猫の銅像がありました。
「お~金かかってるなぁ」
「前世のみーそっくりになるように僕が監修したんだよ」
「確かにみーそっくりだな」
「みーがダバダバ水を吐き出してるんですか」
みーは目の前にお魚を出されても涎を我慢できる猫ちゃんでしたよ。
それから、わたし達は三人で広い教会の中を見て回りました。
***
「ミィ様、おかえりなさい」
「ただいまなのです」
応接室っぽい所に戻ると、イルさんがホットココアを用意して待っててくれました。
「どうぞミィ様」
「ありがとうなのです」
わたしはイルさんが入れてくれたココアをふーふーした後一口飲みました。うん、おいしいのです!
オズお兄さんとコウ君は紅茶をストレートで飲んでるのです。オシャレですね。
「そうだミィ様、私の引っ越しの挨拶の品を開けてみてください」
「分かりました」
わたしはリュックに入っていた箱を取り出し開封しました。
……ん? なんか覚えのある匂いがするのです。
わたしは箱に入っていたものを手に取り、クンクンと匂いを嗅いだ。
「なんだこれ。ただの木の枝しか入ってないじゃんか」
「……」
「勇者はなんでニヤニヤしてんだよ」
……なんか、頭がボーっとするのです。
「―――ごろにゃ!」
「ん?」
ミィはソファーにゴロンと横になった。そしてソファーに置いた木の枝にグリグリと頭を擦り付ける。
コウ君が目を見開いてこっちを見てきます。
「ど、どうしたんだ? ミィ」
「んな~!」
これまたたびなのです!!




