漫才『不安なこと』
※【ゲラゲラコンテスト2】参加作品
二人「はいどーも」
ツッコミ「今日も漫才頑張っていきましょう」
ボケ「頑張れないです」
ツッコミ「え、急にどうしたの?」
ボケ「実は不安なことがあって、心配で夜も寝れない日々を過ごしてるんだよね」
ツッコミ「いや何がそんなに心配なのよ」
ボケ「老後」
ツッコミ「えー、まだ僕ら20代なのに」
ボケ「その考えは甘いって。甘すぎてもはやチュッパチャップスだよ。全身舐めまわしていい?」
ツッコミ「なんでそうなるの?」
ボケ「ていうか舐めさせてくれない? 俺さ、甘いものには目がないんだよ」
ツッコミ「そういう甘いじゃないから!」
ボケ「それでもいい」
ツッコミ「いや、それだとただ僕の身体を舐めたい人になっちゃうよ」
ボケ「ごめん。老後が不安すぎて錯乱してた」
ツッコミ「錯乱の仕方がだいぶ特殊だよ」
ボケ「実は他にも不安なことがあるんだ」
ツッコミ「まだあるの?」
ボケ「約140億個ある」
ツッコミ「脳細胞の数ぐらいあるじゃん」
ボケ「ごめん。嘘ついた。こんなすぐに嘘をついてしまう自分をどうか許してください」
ツッコミ「いやいいよ! 流石にボケだって分かるから! そんな卑屈にならないでよ。で、他の不安なことってなんなの?」
ボケ「地球温暖化」
ツッコミ「いやその考えは立派だけど、僕らが悩んだところでどうしようもないでしょ」
ボケ「それは甘いよ。俺ら1人1人もこの問題の当事者であるという意識を持たないと」
ツッコミ「えー」
ボケ「君のその考え方。まるで砂糖菓子のような甘さだよ。全身舐めまわしてやる」
ツッコミ「いやなんでそうなるのよ」
ボケ「甘いものに目がないんだ」
ツッコミ「だからそういう甘いじゃないんだって!」
ボケ「それでもいい」
ツッコミ「だから、それだとただ僕の身体を舐めたい人になっちゃうよ」
ボケ「ごめん。錯乱してた」
ツッコミ「その錯乱の仕方どうにかならない?」
ボケ「3万円」
ツッコミ「え?」
ボケ「3万円払うよ」
ツッコミ「え、何に?」
ボケ「ごめん。なんでもない」
ツッコミ「なんか怖いな」
ボケ「他にもまだ不安なことがあって…」
ツッコミ「なに?」
ボケ「君さ、最近ことあるごとに首が痛いって良く言うじゃん」
ツッコミ「あー、ちょっと寝違えてね…」
ボケ「だからいつかコロリと落ちてしまうんじゃないかと不安で…」
ツッコミ「首が!? そんなフィギュアみたいなことにはならないから安心してよ」
ボケ「で、調べたんだけど、首の痛みには唾液がいいらしくて」
ツッコミ「え、本当に?」
ボケ「もし君がどうしてもっていうなら、首を舐めてあげようかなと」
ツッコミ「いやいいよ! 気持ち悪いし」
ボケ「ああ、そう? ならいいけど」
ツッコミ「……うん」
ボケ「でも他にも不安なことがあって」
ツッコミ「ちょっと待って」
ボケ「ん? なに?」
ツッコミ「本気で舐めようとしてない?」
ボケ「え?」
ツッコミ「さっきからボケという程をとってるけど、あわよくば本気で僕のこと舐めようとしてない?」
ボケ「……」
ツッコミ「……」
ボケ「……いやいやボケですやん」
ツッコミ「なに今の間」
ボケ「そないボケに決まってますやん。そんなわけないですやん。ちょっとホンマ勘弁してやー」
ツッコミ「なんで急に関西弁でまくしたてたの? 怪しさMAXなんだけど」
ボケ「いやいや、いやいやいや」
ツッコミ「いやいやしか言えなくなった時点でもう黒なのよ。なんか3万円のくだりから怪しいとは思ってたんだよ。まさか漫才中にセクハラしてくるとはな。この変態が」
ボケ「……おお」
ツッコミ「おお、じゃなくて。なにちょっと興奮してるんだよ」
ボケ「……今なによりも不安なのは、今後のコンビの関係性だよね」
ツッコミ「お前のせいだよ! もういいよ」
二人「どうもありがとうございましたー」