一発逆転!?
凌と神宮寺たちが交戦した中、七山をたぶらかそうと企んでいた綾小路たちが作戦失敗。山中たちに倒される。試験は最終局面に向かっていた・・・。
0:03・・・0:02・・・0:01・・・・
凌「・・・位置表示が出るぞ!」
ピーーーーー!
凌「出たっ!状況は・・・・ってなんだこれ!!」
孔美「恵ちゃんが離脱してる・・・・」
恵美「綾小路さんたちも離脱してる!!」
凌「道志と有香がパーティーを組んでいるな・・・
綾小路たちが七山のいる教室に入って交戦・・・
その後廊下で離脱してるから教室を出たところを道志たちにやられたんじゃないか?」
恵美「・・・写真いる?」
凌「とりあえず撮っといてくれ。」
孔美「私達含めてあと9人しかいないんだ・・・」
凌「そういうことになるな・・・とりあえずまとめようか。前回離脱したヤツは除外するとして・・・」
1:沢渡 凌 HP85 場所 C棟1階 2-4教室
2:大山 孔美 HP85 場所 C棟1階 2-4教室
4:落合 恵美 HP85 場所 C棟1階 2-4教室
5:神宮寺 輝彦 HP10 場所 体育館
6:渡部 浩二 HP10 場所 体育館
7:大国 素子 HP10 場所 体育館
8:坂田 有紀 HP10 場所 体育館
9:綾小路 葉子 HP0 場所 B棟2階廊下 離脱
10:三谷 加奈 HP0 場所 B棟2階廊下 離脱
11:伊藤 元康 HP0 場所 B棟2階廊下 離脱
12:狩野 雄哉 HP0 場所 B棟2階廊下 離脱
13:山中 道志 HP40 場所 A棟2階 科学研究室
14:真中 有香 HP40 場所 A棟2階 科学研究室
19:七山 恵 HP0 場所 B棟2階 1-1教室 離脱
凌「まとめるとこんな感じか。」
恵美「神宮寺ってさっきも体育館にいてなかったっけ?体育館が好きなのかな?」
孔美「・・・これからどうするの?」
凌「そうだな・・・俺たちが有利なのは変わらない。でも油断してると一気に追い込まれるから気を付けないとな・・」
・・・・確かにこの3パーティーだと俺たちが有利だ・・・・考えろ・・・・
もし・・・・・もし俺たちが神宮寺と同じ境遇ならどうする?
この局面をどう切り抜ける??・・・・・
孔美「・・・・・凌くん?」
凌「ああ、ちょっと考えてた。
もし俺たちが神宮寺たちの立場だったらどうするか・・・」
恵美「ふーん。それで?どうするのよ?」
凌「もしこのまま3つのパーティーが総当たり戦になったら一番不利なのは神宮寺だ。」
恵美「そりゃそうでしょ。魔法が当たれば終わるHPなんだから。」
凌「そうだ。神宮寺もバカじゃない。そうなったら自分が真っ先にやられることは目に見えている。」
孔美「・・・・じゃあどうするのかな?
私達と道志くん達が戦うまで隠れてるのかな?」
凌「そんなことしてたら俺達や道志たちに真っ先に狙われる。一番倒しやすい相手だからな。
俺が神宮寺の立場だったら道志と共闘を申し出る。」
恵美「共闘!?」
凌「ああ、この3つのパーティーで一番有利なのは俺達だ。道志や俺達が神宮寺たちを仕止めても、道志たちは俺達とやりあわなければならない。」
孔美「私達は3人でみんなHP85・・・道志くんと有香ちゃんは2人でHP40・・・」
凌「つまり道志たちは俺達を倒すのは厳しい。逆に俺達はめちゃめちゃ有利になる。
そこで神宮寺が道志に共闘を申し込み、2つのパーティーで俺達を倒す。
俺達が倒れれば道志たちは有利になるし、神宮寺も相手が道志たちだけなら希望が見えてくる。」
恵美「つまり私達はみんなに狙われてるってことよね?
どーすんの???」
凌「こうなったら影でこそこそしててもしょうがないだろう。
ここらで勝負に出なきゃいけないな。
今から作戦を伝える。うまくいけば勝てる!」
・・・・・・・・・・・
恵美「ちょっと凌!正気!?グラウンドのど真ん中に行くの?
狙ってくださいって言ってるようなものじゃん!!」
凌「グラウンドのど真ん中だと狙うにもグラウンドに出なきゃならない。
こっちも不利になるが相手も不利になる。
大丈夫だ!」
孔美「私・・・・凌くんを信じるっ!」
恵美「私も信用してないわけじゃないよ?」
凌「よし!じゃあ行こうか!」
ー グラウンド中央 ー
凌「・・・・・・・」
恵美「・・・・・みんなくるかな?・・・・」
孔美「・・・・・あ!来た!
神宮寺くんたちと・・・・道志くんと有香ちゃん・・・」
凌「・・・やはり共闘していたか。っていうか、神宮寺が生き残るにはそれしかないもんな。」
神宮寺「・・・見事だよ沢渡 凌。
私たちが共闘することも折り込み済みということだね?
警戒すべきは綾小路 葉子ではなくキミだったようだな。」
凌「そりゃどーも。」
山中「悪ぃな凌!今、俺達の脅威はお前たちなんだ。」
凌「まぁそりゃそうだろう。人数もHPも俺達の方が多いしな。」
真中「ごめんね孔美ちゃん・・・・勝つためにはこれしかないの・・・・」
孔美「・・・大丈夫だよ有香ちゃん。勝負だもの。どっちが勝っても恨みっこなしだよ!」
坂田「大山!まだ勝てる気でいるのか!この状況だとお前たちは圧倒的に不利!!」
恵美「そんなのやってみないとわかんないじゃない。」
大山「神宮寺様・・・沢渡たちは何か策があると考えますが・・・」
神宮寺「この何もないグラウンドで何の策があると言うんだ。
恐らくHPが一番多いから撃ち合っても勝てると踏んでいるんだろう。
山中 道志!用意はいいなっ!」
道志「ああ!いつでもいいぜ!」
神宮寺「一斉射撃っ!!!」
山中「アイスレイン!」
真中「ファイヤーウォール!」
神宮寺「ライトニングセイバー!」
渡部「ファイヤーボール!」
大国「ファイヤーウォール!」
坂田「グランドロック!」
凌「孔美!今だ!!」
孔美「バリアー!!」
神宮寺「な!!なんだそれは!!」
孔美たちの周りにバリアが張られた!このバリアに当たった攻撃魔法は100%の威力で術者に跳ね返る!
山中HP-60、真中HP-60
山中「な、なんだそれは!!魔法が跳ね返ってきた!!」
山中、真中はHPが0になりました。失格です。離脱します。
神宮寺「こ・・・こんな魔法・・・有田 光平から聞いてなかったぞ・・・」
凌「そりゃそうだ。光平も知らなかったんだからな。
今の今まで俺と孔美だけの秘密にしていたのさ。」
大国「は・・・図ったな・・・」
凌「お前たちはみんなで俺達を倒そうとしたんだ。おあいこだ。」
神宮寺HP-90、渡部HP-90、大国HP-60、坂田HP-60
神宮寺、渡部、大国、坂田のHPが0になりました。失格です。離脱します。
どこからかアナウンスが聞こえる。
※現時点で生き残っている生徒が1パーティーのみとなりました。
よって試験を終了します。
合格された生徒。おめでとうございます。※
恵美「や・・・・やったーーーー!!!」
孔美「凌くん勝ったよーーー!!!」
凌「ぬぉ!!孔美!乳を押し付けるな!!恵美も肋骨を押し付けるな!!」
恵美「しっつれーねーー!!ちょっとはあるわよ!!」
凌「いや・・・胸を押し付けていることを否定しろ・・・」
孔美「・・・・凌くんのエッチ」
凌「なんでそうなる・・・・」
※試験は終了致しました。ただ今より現実世界に転送致します。※
視界が真っ白になっていく・・・・
凌「おお!戻れるのか!」
ー 現実世界 3-4教室 ー
・・・・・・・・・・・・
凌「・・・・・・戻ってきたのか・・・・」
戸口「・・・・やっと帰ってこれたぁ・・・」
康介「試験が終わるまで別場所で待機もキツかったね・・・」
凌「・・・・みんな同時に戻ってきたのか・・・・」
先生「うむ、皆戻ってきたようだな。ところで沢渡。」
凌「せ、先生!な、なんでしょう!」
先生「両手に花でお楽しみのところ悪いが席についてくれないか?」
凌「・・・・・あ、」
孔美「・・・・・・え?」
恵美「・・・・・・ん?」
あ、そうだった・・・・二人が抱きついたまま帰ってきたんだった・・・・・
恵美「ぎゃーっ!凌のスケベっ!!」
孔美「凌くんのエッチ!こういうことは校内でしちゃいけないんだよ!」
なんで俺のせいなんだ・・・・というか、校外だといいのか孔美・・・・
光平「凌!お前酷いしゃねーか!俺を盾に使いやがって!」
凌「お前も俺達を売っただろ?そのお返しだ。だから俺とは貸し借りなしだ。俺とはな。」
光平「ん?どういう意味だよ・・・・」
パァァァァァン!!!!!!
恵美が光平の頬を叩いた・・・・・
光平「・・・・・てぇ!!!恵美!!何しやがる!!!」
恵美「・・・・・・・・んでよ・・・・」
光平「あ・・・・・・・・」
恵美「なんで裏切ったのよっ!!!私達はパーティーだったじゃない!!!信用していたのに!!!
この4人で合格しようって!!思ってたのに・・・」
恵美が目に涙を溜めて叫んでいる・・・・・
光平「その・・・・ごめん・・・本当にごめん・・・・」
先生がそっと恵美を抱き締めた・・・・
先生「辛かったのだろう?悔しかったのだろう?落合の憤りはすごくよくわかるぞ・・・」
恵美「先生・・・・・せんせぃ・・・・・」
先生「しかし有田だって好きで売ったわけじゃない。本当はこんなことしたくなかったはずだ。
あの有田の気持ちも考えてやってくれないか?」
凌「ど・・・・・・どういうことだ・・・・・・・・」
凌「・・・・あの先生が・・・・・優しい・・・・・ありえない・・・・俺達はまだ現実世界に戻ってきてないのか???」
孔美「・・・・ちょっと凌くん怒られるよ・・・・」
恵美「先生・・・・ありがとうございます・・・・」
先生「落ち着いたか?ゆっくり席につきなさい。」
先生が教卓に戻っていく
先生「さてと、まずは沢渡、大山、落合、有田。
卒業試験合格おめでとう。」
凌「ありがとうございます!・・・って、えええ!!!」
恵美「な・・・なんでコーヘーもですか?役立たずで無駄に死んでいっただけなのに!!」
光平「そ、そんな言い方ねぇじゃねーか!確かに役にはたってなかったかもしれねーが・・・」
先生「試験合格者は最終的に残った生徒並びにそのパーティーとなっている。パーティーメンバーの生死は問われない。
お前たちが言いたいことはわかるがこれはルールだ。」
康介「よかったじゃないか光平くん!」
綾小路「この私が失格で、あ・・・あの有田 光平が・・・合格???」
神宮寺「先生!試験のやり直しを希望致します!」
先生「そんなことできるわけないだろう。」
先生「さてと、これから合格者は卒業式を行う!体育館に集合だ。
落ちた生徒は留年か普通学校に編入か選択しろ。」
凌「留年!?」
先生「卒業試験に合格できなかった生徒への救済措置だ。留年して、かつ放課後に魔法予備校で講習を受けると最短1年で卒業試験無しで高校に進学できる。」
凌「そ、そんな制度があるんだったら死に物狂いで試験に挑む必要なかったんじゃ・・・・・」
先生「そういう考えを持つ生徒が現れるから、試験が終わるまで極秘にされる。
予備校はサバイバルのような授業は無いが、最低1年はかかるし、予備校の授業は甘くはないぞ?」
凌「確かに試験をパスできるんだから、そんなに簡単なモノじゃないっすよね。」
先生「ああ、それと沢渡。ここは紛れもなく現実世界なのだが、お前の中で私はどのような人間に見えているのだ?」
凌「!!!!!」
場が一瞬凍りついた!!殺されるっ!!
先生「まぁお前の試験合格に免じてさっきのことは聞かなかったことにしといてあげよう。」
・・・・・・・た・・・・・助かった・・・・
先生「ところで有田。お前に聞きたい事があるのだが。」
光平「はいっ!なんでしょうか!!!」
先生「爆乳教師というのは、私のことかね?」
光平「え!!!!は!!!!が!!!!わかりません!!!」
先生「・・・仮想フィールドは学生だけを送るんだ。教師が監視しないわけないだろう?
お前たちの会話は丸聞こえなんだよ???」
ーーー光平・・・・・死んだか・・・・
先生「まぁお前も試験合格者だ。免じて聞かなかったことにしといてあげよう。」
光平「あ・・・・あ・・・・ありがとうございます!!!」
先生「では試験合格者は体育館に。不合格者は留年か編入か決めて職員室まで報告に来い。必要書類を渡そう。」
ガララララ・・・・・・ビシャッ
先生が出ていった・・・・・
孔美「凌くん・・・言わんこっちゃない・・・危なかったね。」
凌「ああ・・・卒業式前に殺されるところだった・・・
先生の機嫌が良くて救われたな・・・・」
卒業式までもう少し時間がある。
それまでに少しみんなと話しておこうか・・・
ー 続く ー