4人目のパーティー?
教員休憩室で会った光平がパーティーに入れてもらうよう志願したが、凌はそれを断る。
凌「光平。お前とはパーティーを組めない。自分でなんとかしてくれ。」
孔美「ちょっと凌くん・・・」
光平「えーーーー!!!そんな酷いこと言うなよ!俺ら友達じゃねぇか!」
凌「友達であることと今回の試験は別問題だ!俺達は勝たなきゃいけないんだ!
それにパーティーっていうのはみんなで協力しあうんだよ!お前のは協力じゃなくて俺たちを利用しようとしてるだけじゃないか!
戦力が下がるのわかっててパーティー組むバカがどこにいる!」
恵美「まぁ私達と組むのは諦めて他の人探すっきゃないね。」
光平「頼むよ!こんなHPが残り少ない、魔法もほぼ使いきってる奴なんて誰も相手にしてくれない!もうお前たちしかいないんだ!」
凌「今のお前は役に立たないただの荷物にすぎん!そんな重荷を背負うわけにはいかな・・・ん?」
孔美「・・・・・・」
孔美が上着の裾を引っ張っている・・・
孔美「なんとかならないかなぁ?光平くん・・・ほっとけないよ・・・」
凌「・・・・・・」
今ここで光平を見捨てたら場の雰囲気が悪くなるか・・・
光平「なぁ凌・・・孔美もこう言ってくれてることだしさぁ・・・・」
凌「お前にはプライドというものはないのか・・・」
恵美「えーーコーヘー連れてくのー??やだよーー。康介誘おうよーー。」
凌「わかった光平。パーティーに入れてやる。」
孔美「凌くん!」
恵美「えーーー」
光平「やったー!サンキュー!持つべきものは友達だなぁ!」
凌「ただし条件がある!今からある作戦を決行する!当然お前にも参加してもらう!これが成功したらパーティーに入れてやる!」
光平「えーーー!!今入れてくれるんじゃないのかよー!」
凌「お前は俺を利用して長生きするためにパーティーに入るんだろう?だったら俺もお前を利用してやる!これでイーブンだ!
イヤだと言うならこの話は無しだ!」
光平「うぐぐ・・・わかったよ・・・俺が生き残るにはこれしかないんだから・・・・やってやるよ。
で、俺はなにをすればいいんだ?」
凌「まず光平はC棟に入れ。」
光平「C棟に?何しに行くんだ?」
凌「さっきの位置表示では綾小路と戸口のパーティーがC棟にいた。
あれから時間は経ってるが遠くには動いていないはずだ。」
光平「ちょっと待てよ!そんなところに行ったら格好の餌食じゃないか!殺されに行くようなもんだ!」
凌「そうだ。まさに格好の餌食だ。きっと相手は油断する。そこを突くんだ。
C棟の中に入ったら戸口を探せ。前回の位置表示では3-4教室にいた。
戸口と遭遇したらグランドロックを使え。当てるなよ。牽制で使うんだ。
魔法を使ったら戸口を挑発してC棟を出るんだ。戸口をC棟の外まで誘い出せ。」
光平「上手くいったらどうするんだ?」
凌「光平がC棟を抜けたら俺がランドマインを使う。地雷の魔法だ。
そして孔美。今回はお前にも働いてもらう。」
孔美「え?・・・私は何をすればいいの?」
凌「地雷が当たったら即座にサンダーボルトを使う。その後、俺の合図でスモークを使うんだ。」
孔美「う・・うん・・・わかった!」
恵美「私は何をすればいいの?」
凌「そう言えばお前の魔法は聞いてなかったな。何が使える?」
恵美「私はアイスレインが3回とダイヤモンドダストが1回。後はダッシュが3回。
まぁ試験が開始されてから何も使ってないんだけどね。」
光平「ダイヤモンドダストって氷の上位魔法じゃねぇか!お前見た目によらず結構すごいのな・・・」
恵美「コーヘーにすごいって言われても嬉しくないけどねー」
孔美「私はヒールが3回とスモークが4回・・・」
恵美「あれ?孔美の魔法は2つなんだ?」
孔美「う・・うん。ごめんね・・・役に立たなくて・・」
光平「孔美!ヒール使えるの!?使ってよ!俺を癒してくれーーー」
孔美「使ってあげたいんだけど、パーティー専用なの。」
光平「ぬおおおーー!!これは維持でも成功させねば!!
しかしヒールはでかいよなー!氷の魔法ばかりの氷のような女とは違うなっ!」
恵美「失礼ねっ!誰が氷の妖怪よ!!」
光平「んなこと言ってねぇよ・・・」
凌「ダイヤモンドダストが使えるのは大きい。これはとっておかないとな。
孔美のスモークが解けても戦闘を離脱できなかったらアイスレインで止めを刺すんだ。」
恵美「私が仕止めるのか・・・あんまりやりたくないな・・・あ、ダッシュで逃げればいいんじゃない?移動速度超アップだから絶対逃げられるよ!」
凌「それだとパーティーに入ってない光平を置き去りにしてしまう。C棟の前で置き去りくらったら確実に仕止められるぞ。」
光平「そ・・・それは勘弁してくれ・・・」
凌「恵美のアイスレインは戦闘を回避できなかった時の奥の手だ。
今回は仕止めることが目的ではない。」
恵美「じゃあ何が目的なの?ただの嫌がらせ?」
凌「命懸けで嫌がらせするバカがどこにいる。可能であれば戦意を喪失させてリタイアしてくれたら助かるんだがな。」
孔美「わ・・・私もその案賛成!友達を倒して喜ぶなんて悲しすぎるよ・・・」
恵美「つくづくお人好しなパーティーね・・・」
凌「いや、そうでもないぞ。
この試験・・・敵を倒すことだけが目的ではないみたいだ。
魔法に回数が決まっているのも試験を棄権できるのも、そういうことなのかもしれない。
さて、お喋りはここまでだ。戸口に動かれてC棟から離れられると厄介だ。
戸口は前に1度、無闇に動いたせいで俺の地雷にかかっている。それにビビって動きにくくなってるだろうけど、さすがに長時間留まってるなんてことはないだろう。」
光平「わかった!行ってくる!でも戸口らがいなかったらどうすればいいんだ?」
凌「その時は綾小路を誘い出せ!」
ー C棟2階 階段 ー
カツン・・・カツン・・・
光平「不気味なくらい静かだな・・・やっぱり誰もいないんじゃないのか???」
カツン・・・カツン・・・
男の声「動くな!!!」
光平「どわぁぁぁぁ!!!まてっ!打つなぁぁぁ!!!
え・・・江口?」
江口「なんだ、死にかけの有田じゃん。
由佳理ー。死にかけの有田だったー。コイツ殺しとく?」
戸口「あらあらあら?有田くん1人なの?」
結城「てっきり沢渡とパーティー組んでると思ってたけどね。」
戸口「沢渡くんに見捨てられたんだー!かわいそーにー!」
江口「はははははっ!!!確かに可哀想だ!」
結城「俺だったらこんなみじめにコソコソするんだったらとっくにリタイアしてるわー!!」
光平「う・・・うるせぇよ!俺だって必死にやってんだよ!
グランドロック!!」
床から岩が突出したが誰にも当たらなかった。
江口「うわっ!あっぶねぇな!!!なにしやがる!」
結城「急がなくてもちゃんと殺してやるからよっ!」
光平「お前らなんかに殺されてたまるかってんだ!そこのクソ女と仲良くやってろよ!あばよー!」
戸口「・・・ク・・・クソ女ですって・・・・
待ちやがれ!お前は今すぐ私が殺すっ!!」
江口、結城「待ちやがれこの野郎っ!!」
光平「捕まったら殺されるっ!!」
ー C棟前グラウンド ー
光平「はぁ・・・はぁ・・・よしっ!抜けたぞ!」
凌「よくやった!後は任せろ!ランドマイン!」
C棟の出入り口に魔法陣が敷かれた。
戸口「待てこらーー!!!」
ドーーーーーン!!!!
戸口「ぎゃあああ!!!」
江口「ま・・またこれか!!」
結城「は・・嵌められたーー!!!」
仕掛けていた魔法陣が作動!
戸口HP-30 江口HP-30 結城HP-30
凌「光平!魔法は当ててないな?」
光平「おう!言われた通り、当ててないぜ!」
凌「死なないでくれよ!サンダーボルト!」
戸口、江口、結城「ぐえぇぇぇ!!!!」
戸口を中心に電撃が直撃!
戸口HP-30 江口HP-20 結城HP-20
凌「よしっ!3人共瀕死のはず!孔美!」
孔美「スモーク!」
戸口を中心に煙が覆う!戸口らは周囲が見えなくなった!
戸口「さ・・・沢渡!あなたの仕業ねっ!なんでこんなことすんのよっ!!」
凌「今は試験中だぜ!それにおまえらだって光平を殺そうとしただろ!おあいこだ!
そんな状態じゃもう戦えないだろ?早くリタイアした方がいいぞ!じゃあな!」
凌たちは戦闘を離脱!
ー A棟1階 食堂 ー
凌「ふぅ・・・ここまで来れば追ってこないだろ・・・」
恵美「やったね!大成功じゃない!」
孔美「由佳理たち・・・リタイアしてくれるかな?」
凌「不思議なくらいうまくいったな・・・リタイアしてほしいがするかどうかは本人次第だな。
それにしても戸口、めちゃめちゃ怒ってたな・・・お前・・・何したんだ???」
光平「べつに何もしてねぇよ。ちょっとからかっただけだぜ?
それより早くパーティーに入れてくれよ。」
凌「そうだな。約束だしな。」
恵美「どうせだったら次の位置表示の後にした方がいいんじゃない?」
凌「いや、光平がパーティーに入ることはまわりにとってそんなに脅威じゃない。
それに今も4人固まってるんだからもう頭数に入れられてるよ。」
光平「なんかサラリとバカにされてるようだが・・・」
凌「そんなことねぇって。ほら、パーティー組むんだろ?」
光平「うぉ!なんか出た!これを押せばいいのか?」
光平がパーティーに追加されました。
光平「よっしゃあ!!これからよろしくなっ!」
恵美「うう・・・康介くんごめんね・・・」
孔美「それじゃあ回復するね。ヒール!」
光平が光に包まれる・・・光平のHPが回復しました。
光平HP+30
光平「よっし!窮地を抜けたぞっ!!」
孔美「凌くん、これからどうするの?」
凌「もうすぐ次の位置表示が出る。それまで待機だ」
ー C棟 出入口 ー
戸口「・・・してやられたわね・・・」
結城「沢渡の言う通り・・・この状態で戦うのは厳しいです。」
江口「一撃で殺されるHPしか残ってないしなぁ・・・」
戸口「・・・諦めも必要ね・・・リタイヤしましょう。」
結城「悔しいけど無惨に殺されるよりマシだな。」
綾小路「あらあら、何やら楽しそうな話をしてますわね。」
戸口「!!綾小路っ!」
綾小路「ふふふ・・・リタイヤなんかさせませんわよ?」
ー 続く ー