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プラネット  作者: 宇目 観月(うめ みづき)
32/78

作戦会議

これ以上、前に進んじゃいけない

というのは、別にいやらしい意味

じゃないんだ。


気持ち的に、これ以上ミュレーナ姫

のことを好きになっていいのかどう

かで僕は悩んでた。



僕には美緒ちゃんという

最愛の人がいる。


でも僕は、ミュレーナ姫の

ことも好きだ。


たぶん、同じくらい好きだと思う。


この気持ちは、自分でもどうする

ことも出来なかった。


心も体も二つに引き裂かれそうだ。



先日のバラムとの戦いを、僕は

ミュレーナ姫と一緒に、命がけ

で乗り切った。


僕たち二人の絆は、もう切っても

切れないものになってたんだ。


あの修羅場を潜り抜けたことで

僕たちは言葉に出さなくても、

お互いに見つめ合うだけで相手

の気持ちが分かるようになって

来てた。



セシルは、二人が同じ魂の二つの側面

だって言ってたけど、意味がよく分か

らなかった。


たしかに、二人は瓜二つだし、

話し方や仕草までそっくりだ。


ミュレーナ姫と一緒にいると、僕は

美緒ちゃんと一緒にいるような錯覚

に陥って、頭が混乱してしまう。



姫が言ったように、二人が同じ魂なら

僕は二人と同時に付き合っても良いよ

うな気がする。


でも、やっぱり二人は別人格だ。

生きて来た背景もそれぞれ違う。


二人は違う惑星に別々の肉体を持って

生まれて来た。


育った環境も違う。


ミュレーナ姫はこのスピィア星の

お姫様として生きて来た。


美緒ちゃんは地球の鏑木家の

お嬢様として生まれ育った。



セシルは僕たちが過去世から深い

関わりを持って来たって言ってた。


夫婦だったり、姉弟だったことも

あるって・・・。


いずれ僕は二人のうちのどちらかを

選ばなければならなくなる様な気が

した。


僕はとりあえず、考えを保留する

ことにした。


過去世を思い出さないと、結論が

出せないと思ったから。



◇◇



翌日、王様がみんなを集めて

船の中で作戦会議を開いた。


初めて王様に会ったあの大広間だ。


窓からは、地底都市の美しい南国の

風景がパノラマみたいに見渡せた。



昨夜から、僕はしばらく王様の船で

寝泊まりすることになった。


母さんのことも、美緒ちゃんの病気の

ことも、心配だったけど、この戦いの

決着がつくまでは、僕は地球には帰れ

ないと思った。


くよくよしても仕方がないし、とりあ

えず割り切って、僕は目の前のことに

に集中することにした。



◇◇



会議の出席者は各大陸のリーダー

五人および王様と僕を加えた合計

七人だった。



みんなバラムの暗黒(ダーク)エネルギー砲を

どう封じるかで頭を悩ませてた。


暗黒エネルギー砲は全部で五門ある

らしい。


各大陸にバラムが乗ってたような

暗黒エネルギー砲を搭載した巨大

旗艦が駐屯してて、奴らは睨みを

効かせてるんだ。


だから僕たちは、五大陸を一斉に

奪還する方向で検討を進めた。



真っ先にバラムの本隊を叩いた方が

効率的だっていう意見も出た。


バラムさえ叩けば敵は総崩れになる

可能性が高いから。


だけど、各大陸に駐屯してる敵軍が

次元転移システムを使って、一斉に

本隊に合流して来た場合、暗黒エネ

ルギー砲の乱射につながる危険性が

あるんだ。


だから僕たちは最初の方向に戻った。



◇◇



具体的な作戦のやり方は、色んな案が

出たけど奇襲作戦で敵を撹乱し、奴ら

が暗黒エネルギー砲を撃って来る前に

奴らの旗艦を攻撃する案が一番有力だ

った。



この案は、次元転移システムを時間差

で使って攻撃を仕掛けるんだ。


第一陣で敵を引きつけておいて、間髪

入れず、第二陣で敵の旗艦を叩く。


移動直後に攻撃を仕掛けなければ

ならないからタイミングがとても

重要だった。



勝負は一瞬で決まる。


暗黒エネルギー砲が船体から砲身を突

き出すまでに約五秒、目標物に照準を

合わせて発射するまでが約五秒、合計

十秒くらいしか時間が無いんだ。


次元転移システムを使う前に、

相手の位置を正確に把握して

おく必要もあった。


しかも、旗艦を攻撃する際は、

機関部を直接攻撃出来ないんだ。


旗艦が大爆発して、濃縮された暗黒

エネルギーが外部に漏れ出だしたり

したら、大変なことになるから。


旗艦から突き出した砲身だけを吹き

飛ばし、暗黒エネルギー砲を使えな

くするのが、この作戦の要なんだ。



後は、各大陸総力戦で奴らの円盤

全てを撃破する。


暗黒エネルギー砲さえ封じ込めれば、

こちらの方が円盤も兵の数も多い。


それに王様の船も加えれば、圧倒的に

僕らの方が戦力は上なんだ。



◇◇



「砲身さえ吹き飛ばせば、暗黒エネ

ルギー砲自体の安全装置が働いて、

奴らは光線を発射出来ない。発射し

たら、奴ら自身も吹っ飛ぶからね」


って、カミュが言った。


「でも、もし私たちの攻撃のタイミ

ングが遅れたりしたら大変なことに

ならない?」


って、リュナが心配そうに言う。


「確かにその危険性はある。もし

暗黒エネルギー砲の発射と同時に

我々の攻撃が砲身に当たったりし

たら、この星が吹っ飛びかねない」


カミュが眉間に皺を寄せた。


「速さと正確さが重要だな」


実直そうにテュマ。


「不安だなあ、他に何か良い案

ないの?」


軽妙な口調でリュス。


「翔太、君の念力であの砲身を

曲げられないかなあ」


押しの強いシュワ。



僕は自分のパワーがどれくらいある

のか、自分でもよく分からなかった。


この前は、バラムの円盤を体当たりで

相当凹ませたし、やって出来ないこと

はなさそうだったけど・・・。



僕が答えに困ってると、カミュがこう

言って助けてくれたんだ。


「シュワ、それは翔太には酷な質問

だよ。翔太なら出来るかもしれない

けど、この間みたいにパワーを全部

使い切ることになるかもしれないだ

ろう? それなら最初から我々の量子

ビーム砲を使った方がましだ。それ

に翔太一人で、五大陸全ての旗艦を

一斉に攻撃するのは無理だ」


「それもそうだな。翔太、ゴメンな、

無理なこと言って」


シュワが謝った。



「でも僕、最近、瞬間移動が出来る

ようになったんだ。その力を使えば

みんなの役に立てるかもしれないよ」


って、僕は言ったんだ。


「瞬間移動? もしかして翔太も次元

転移システムみたいに、色んな場所

に瞬間的に移動出来るってこと?」


カミュが驚いた顔をした。


「うん、今までこの惑星に来る時は

セシルっていう天使のような人が送

り迎えしてくれてたんだ。でもこの

間から、自分の意志でこの惑星に来

たり、地球に帰ったり出来るように

なった」


「それは凄い! ちょっと待ってくれ、

今アイデアが閃きそうだ・・・」


カミュは人差し指で自分のこめかみを

トントン叩いてた。



「翔太、瞬間移動で奴らの旗艦に潜り

込めないかな? そうすれば、内部から

暗黒エネルギー砲を破壊出来る」


って、カミュ。


「それは僕も考えてたんだ。奴らの

旗艦の中を明確にイメージ出来れば

潜り込めるかもしれない」


「そうか! 次元転移システムだと

防御装置があるから、君を旗艦に

送り込めない。でも翔太が自分で

瞬間移動可能なら話は別だ。作戦

の新しい展開が見えて来たぞ!

よし、作戦を練り直そう!」


カミュが興奮して言ったんだ。


「翔太が来てくれて流れが変わっ

たな。私も勝てそうな気がしてき

たよ!」


王様が嬉しそうな顔で言った。

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