セツナと過ごす平和な日々 1
「ねぇセツナ醤油とって」
「ん」
「ありがとう。どりゃー!」
ビチャビチャビチャビチャっという本来聞こえるはずもない効果音が聞こえているが、私は気にせずひたすらかけていく。
「ねぇセツナ」
「ん?」
「マヨネーズとって!」
「ん」
「ありがとう。どうりゃああああああ!」
ブリュブリュブリュブリュブリュブリュブリュブリュブリュ・・・・・。
長すぎるその音に隣にいる二十歳歳下の男の子の表情は血の気が失せたかのような青ざめた表情をしていた。
「セツナ」
「な、なんだ?」
「ケチャップ取って」
「ユーリ」
「ん?なぁに?」
「ひとつ聞いていいか」
「はい、なんでしょう」
「お前は何を作ってるんだ?」
「え、わかんないの?醤油とマヨネーズとケチャップといえばあれっしょ」
セツナは酷く歪んだ表情をして必死に頭を回転させていたが、諦めたようにため息をついた。
「いや、やっぱり考えても分からない」
「オムライ・・・・ぎゃー!まだ何にも言ってないのになんで捨てるの!?」
「お前に期待した俺が間違っていた!」
「出来上がってみないとわかんないじゃんか!」
「分かるよ!調味料の量も明らかにおかしかったよ!絶対肥満とか成人病とか色んな病気になるようなやばさだったぞ!」
「セツナのケチ!」
「そんなこと言うのはまともに料理出来るようになってから言うんだな。ほら、貸してみろ」
「え、セツナうまーい」
「だろ?」
私はからフライパンを奪い取ったセツナは物凄い手捌きでフライパンに米を入れてケチャップでとき、既に自分で刻み炒めて用意してあった具材を突っ込んだ。
そして極め付けには中華料理屋さんもビックリな見事なフライパン煽りを見せてくれたのだった。
「すっごーい!セツナすっごーい!」
あまりにも私が喜んで褒めまくるものだから鼻高々にドヤ顔をして鼻を掻いてる。こういうところはまだ子供だな、とこの私でも思う。