第6話 「想定外」
[3,2,1カポウ!」 一突きの銃弾が月夜の能力によって解き放たれる。
しかしその瞬間月夜が放った銃弾は空中で弧を舞いそのまま突然消滅した。
「なぜだ!能力が封印されただと!」
月夜が叫んだ瞬間、辺りを包んでいた漆黒の闇が途端に消え失せる。
「おいっっ! おめぇ、何なんだよ今の真似はよぉ!」
ツトムは暗闇が消え失せた瞬間恐怖よりも先に怒りが勝るのを身体に感じた。
しかし月夜は焦ることもなくすぐに何が起こったかを説明し始めた。
「なぜかって?それはだな、俺たちは透明人間になってこの世界を救うという重大な役割を担わされた
まぁある意味地味なスーパーヒーロー集団ってこった」
「おい、そのスーパーヒーロー集団ってなんだよ!もっと詳しく教えろよ」
ツトムは何が何だか分からず、ただ焦りばかりを感じていた。
しかし本当は月夜は透明人間体での偵察がばれた場合はその気付いた当人の事を抹殺、あるいは、
記憶や一切の存在を消去しろと財団から教えられていた。
なので能力を外し抹殺ができなくなった今は、ただツトムの記憶、あるいは存在を消去するようにと
大体の示しはついていた。
これ以上つらつらと話していてもしょうがない。
「残念ながらお前は多くを知りすぎただから俺の名の下にお前の存在を消去させてもらう。」
月夜はゆっくりとツトムに近づいていき、手に持っていた「転送装置カルプ」をそっとツトムの頭に持っていった。
「や、やめろ、自分から話しておいてそれはないだろって、よせよ、オイ!」
ツトムの体に転送装置カルプが当てられた瞬間、ツトムの体が水蒸気と化し、
辺り一面の空気と交わり消えていった。
「ふっこれも、透明人間の宿命か転送装置カルプをしまい、月夜はツトムの家「だった」所を後にした。
つづく。